都波岐神社・奈加等神社

都波岐神社・奈加等神社について

都波岐神社と奈加等神社（つばきじんじゃ・なかとじんじゃ）は、三重県鈴鹿市に位置する神社で、いずれも古くから信仰を集める式内社です。もともとの社格は県社にあたるため、地域の人々にとって大切な存在となっています。都波岐神社は、伊勢国の一宮であるとされ、明治時代には両神社が合併され、現在の名称である「都波岐奈加等神社」とも呼ばれています。

祭神とその由来

この神社には二つの祭神が祀られています。

• - 都波岐神社: 猿田彦大神（さるたひこのおおかみ）
• - 奈加等神社: 天椹野命（あまのくののみこと）および中筒之男命（なかつつおのみこと）

猿田彦大神は、道を開く神として広く知られています。一方、天椹野命は中跡直の祖先とされ、地域の人々に深く関わりを持つ神として崇められています。このように、両社の祭神は地域の歴史や文化に結びついています。

歴史

この神社の起源は、社伝に基づくと、雄略天皇の23年にまで遡ります。この年代に、伊勢国造の高雄束命が勅命を受けた後、中跡村に社殿を二つ建立し、それぞれを都波岐神社と奈加等神社と名付けたことが始まりとされています。また、『延喜式神名帳』では両社とも小さい社として記録されており、天長年間には弘法大師（空海）が訪れ、2つの獅子頭を奉納したという伝説も残っています。

特筆すべきは、承暦3年（1079年）に両社が正一位の神階を受けたことです。さらに、白河天皇からは宸筆による勅額も授けられ、いっそうの名誉を得ました。

しかし、歴史の流れの中で、永禄年間に織田信長の伊勢平定の際には社殿が焼失し、過去の記録も失われる大きな危機を迎えました。その後、寛永年間には神戸城主一柳監物の手により再建されたものの、長い歴史を有するこの神社が直面した試練は多岐にわたりました。そして明治時代には、両社が統合され、現在の形となりました。

祭事と地域の関わり

現在、都波岐神社・奈加等神社では、毎年多くの祭事が行われます。その中でも例大祭や中戸獅子舞が特に有名で、毎年10月10日に開催されるこの祭りは、地域住民にとって重要なイベントの一つに位置づけられています。神社を中心に、多くの訪問者が集まり、地域の伝統文化を受け継いでいます。

交通アクセス

都波岐神社と奈加等神社へは、アクセスも便利です。公共交通機関を利用する場合は、JR関西本線または伊勢鉄道伊勢線の河原田駅、または近鉄鈴鹿線の鈴鹿市駅から三重交通バスに乗り、高岡バス停で下車すると、そこから徒歩で約10分の距離です。また、自家用車を利用する場合、国道23号鈴鹿大橋を南に約1km進み、一ノ宮町交差点付近でアクセスできます。

このように、都波岐神社と奈加等神社は、歴史を持ち、地域と深く結びついた神社であり、訪れる人々にとっても貴重な体験を提供しています。

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