酉島伝法

酉島伝法について

酉島伝法（とりしま でんぽう）は、1970年生まれの日本のSF作家、デザイナー、イラストレーターです。大阪府大阪市此花区在住で、大阪美術専門学校芸術研究科を卒業しています。本名は非公開で、ペンネームは此花区にある2つの地名「酉島」と「伝法」を組み合わせたものを使用しています。

経歴

2011年、「皆勤の徒」で第2回創元SF短編賞を受賞し、その作品は『結晶銀河 年刊日本SF傑作選』に収録されました。2012年には、受賞後第一作となる「洞の街」が第2回創元SF短編賞アンソロジー『原色の想像力2』に収録されています。2013年には、創元SF短編賞受賞作「皆勤の徒」を表題とする連作短篇集を刊行し、第34回日本SF大賞を受賞しました。さらに2019年には、「宿借りの星」で第40回日本SF大賞を受賞しています。

作品の特徴

酉島伝法の作品は、独特な世界観と美しい文章表現が特徴です。現実と非現実の境界を曖昧にするような幻想的な描写や、日常に潜む異質なものを描き出す作風が多くの読者を魅了しています。また、SFというジャンルにとらわれず、ミステリーやファンタジーの要素も取り入れ、多様な物語を紡ぎ出している点も魅力です。

主な作品

単行本

『皆勤の徒』（2013年、東京創元社 / 2015年、創元SF文庫）
表題作「皆勤の徒」は、第2回創元SF短編賞を受賞した作品です。
他に「洞の街」「泥海の浮き城」「百々似隊商」を収録
『宿借りの星』（2019年、東京創元社）
第40回日本SF大賞受賞作です。
『オクトローグ 酉島伝法作品集成』（2020年、早川書房）
これまでの作品を集めた作品集です。
『るん(笑)』（2020年、集英社 / 2023年、集英社文庫）
『旅書簡集ゆきあってしあさって』（2022年、東京創元社）
高山羽根子、倉田タカシとの共著です。
『奏で手のヌフレツン』（2023年、河出書房新社）

アンソロジー収録作品

「電話中につき、ベス」（『さよならの儀式』、2014年、創元SF文庫）
「金星の蟲」（『夏色の想像力』、2014年、草原SF文庫）
「奏で手のヌフレツン」（『NOVA+ 書き下ろし日本SFコレクション バベル』、2014年、河出文庫）
「環刑錮」（『短篇ベストコレクション 現代の小説2015』、2015年、徳間文庫 / 『折り紙衛星の伝説』、2015年、創元SF文庫）
「痕の祀り」（『多々良島ふたたび ウルトラ怪獣アンソロジー 01』、2015年、早川書房 / 『多々良島ふたたび ウルトラ怪獣アンソロジー』、2018年、ハヤカワ文庫JA）
「堕天の塔」（『BLAME! THE ANTHOLOGY』、2017年、ハヤカワ文庫JA）
「彗星狩り」（『小説すばる』2017年6月号、集英社）
「黙唱」（『宙を数える 書き下ろし宇宙SFアンソロジー』、2019年、創元SF文庫）
「惑い星」（『短編宇宙』、2021年、集英社文庫）
「お務め」（『NOVA 2021年夏号』、2021年、河出文庫）
「もふとん」（『ベストSF2022』、2022年、竹書房文庫）

雑誌掲載作品（読切）

「三十八度通り」（『群像』2015年4月号、講談社）
「橡 (つるばみ)」（『現代詩手帖』2015年5月号、思潮社）
「千羽びらき」（『小説すばる』2017年9月号、集英社）
「猫の舌と宇宙耳」（『小説すばる』2020年1月号、集英社）
「ひとりとも」（『小説すばる』2021年1月号、集英社）
「もふとん」（『文藝』2021年夏季号、河出書房新社）
「無常商店街」（『紙魚の手帖』2021年12月号、東京創元社）

エッセイ

「Oh! マイアイドル」（『小説すばる』2017年4月号、集英社）
「光源」（『S-Fマガジン』2020年10月号、早川書房）
「尽きぬ里の記憶 平鹿由希子『集真藍里』書評」（『現代詩手帖』2022年9月号、思潮社）
「幻の鏡」（『ねむらない樹 vol.9』2022年8月、書肆侃侃房）

その他

酉島伝法は、SF作家としてだけでなく、デザイナーやイラストレーターとしても活動しています。作品の世界観をより深く表現するためのイラストやデザインも手がけており、その多才さが魅力です。

関連情報

棺詰工場のシーラカンス
酉島伝法 (@dempow) - X（旧Twitter）
大森望による『皆勤の徒』解説（部分）

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