酒井重知

酒井重知：波乱の生涯を送った旗本

酒井重知（さかい しげとも）は、元和4年（1618年）に生まれ、元禄10年（1697年）に80歳で亡くなった江戸時代の旗本です。彼は下総国生実藩主の嫡子でしたが、その生涯は平坦ではありませんでした。

生い立ちと金森家へ

重知は、酒井重澄の長男として生まれました。母は井上正就の娘です。幼名は牛之助、後に午右衛門、徳兵衛と名乗りました。しかし、寛永10年（1633年）、父・重澄が勤務怠慢を理由に改易されたため、重知は父の実家である飛騨国高山藩主・金森重頼のもとに預けられることになります。この時、金森姓を名乗りました。

酒井家への復帰と旗本としての活動

承応2年（1653年）に赦免され、翌年、2000俵を与えられて旗本として復帰します。この際、再び酒井姓に改めました。元禄3年（1690年）に致仕し、家督を養子の酒井重英（井上正任の五男）に譲りました。なお、もう一人の養子に酒井重矩（金森頼直の五男）がいます。

その後

元禄10年（1697年）11月11日（1697年12月23日）に80歳で死去。法名は又言。

重知の家系は、その後も2000石の旗本として存続しました。彼の生涯は、父の失脚による苦難、他家での生活、そして再び旗本として家を立て直すという、波乱に満ちたものでした。

補足

酒井重澄: 重知の父。勤務怠慢により改易された。
金森重頼: 重知の伯父（父の兄）。高山藩主。重知を預かった。
井上正就: 重知の母の父。
酒井重矩: 重知の養子の一人。金森頼直の五男。
* 酒井重英: 重知の養子の一人。井上正任の五男。重知の致仕後、家督を継いだ。

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