里信号場

里信号場

里信号場（さとしんごうじょう）は、佐賀県藤津郡太良町大字大浦里に所在する、九州旅客鉄道（JR九州）長崎本線に設けられた信号場です。長崎本線の単線区間において、列車の行き違いや追い越しを可能にするための重要な施設として機能してきました。

歴史

この信号場は、日本国有鉄道（国鉄）によって1969年（昭和44年）4月25日に開設されました。その後、国鉄が分割民営化された1987年（昭和62年）4月1日からは、JR九州がこの施設の運営を引き継ぎました。しかし、輸送体系の変化などにより、その役割を終えることとなり、2025年（令和7年）7月1日をもって廃止されることが予定されています。廃止後は、下り線の一部を利用して閉塞区間が設定される見込みです。

構造と特徴

里信号場は、単線区間における列車交換を行うための2線構造を持つ信号場です。線路配置は一線スルー方式ではないため、上下どちら方向から進入する列車も、信号場に出入りする際には時速55キロの速度制限を受ける必要があります。この信号場の特にユニークな点は、地形に合わせて入り江を半周するような形で線路が敷設されているため、構内全体が急カーブを描いていることです。

この急カーブは、信号場に列車が進入する際に、窓の外に停車している対向列車の側面が非常に近くに見えるほどきつく曲がっており、列車から眺める車窓風景としても印象深く、長崎本線の隠れた名所の一つとして知られています。

運用状況

かつて、里信号場は特急列車同士の行き違いが頻繁に行われるなど、本線上の主要な列車交換地点の一つでした。しかし、2011年3月のダイヤ改正以降、朝晩や臨時列車などを除く特急列車の定期的な行き違いは大幅に減少しました。さらに、2022年に長崎本線の一部区間が電化廃止されてからは、主に隣の多良駅で列車の交換が行われるように運用形態が変更されていきました。そして前述の通り、この信号場自体が将来的に廃止される計画が進行しています。

周辺環境

信号場のすぐ近くには国道207号線が並行して通っており、その国道の向こう側には広大な有明海を望むことができます。周辺には民家が少なく、非常に閑静な環境に位置しています。国道207号線上には、祐徳バスのバス停（鹿島バスセンター - 竹崎港間の路線）である休石（いけし）バス停と里バス停が設置されています。

隣の駅

九州旅客鉄道（JR九州）
■長崎本線

多良駅 - （里信号場） - 肥前大浦駅

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