重岡駅

重岡駅：山間の静寂に佇む日豊本線の駅

大分県佐伯市宇目地区に位置する重岡駅は、JR九州日豊本線沿線にある無人駅です。かつては活気ある駅でしたが、時代の変遷とともに利用客数は減少。現在は、地元の高校生や観光客を主な利用者として、静かにその歴史を刻んでいます。

歴史と変遷

重岡駅が開業したのは1922年（大正11年）。以来、地域住民の足として長く利用されてきました。しかし、1972年には貨物取扱いが廃止され、1984年には荷物扱いも廃止。1985年には無人駅となり、駅舎の簡素化も進みました。2017年には台風18号による被害を受け、一時的にバス代行輸送が行われたこともありました。近年では、ダイヤ改正により佐伯方面からの折り返し列車が設定され、また、観光列車「36ぷらす3」の特別停車駅にもなっています。この観光列車の停車により、週末には多くの観光客が訪れるようになりました。

駅舎と構造

重岡駅は、単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線の、合計2面3線を持つ地上駅です。ホーム間は跨線橋で連絡しており、かつては映画『なごり雪』の撮影にも使用された木造駅舎がありました。しかし、2006年にはこの駅舎と便所が解体され、現在ではシンプルな待合所が設置されています。ホームの一部は、折り返し列車の停車に対応するためかさ上げ工事が行われ、ミラーの設置なども行われています。無人駅のため改札はなく、切符は集札箱に投入する方式です。

利用状況と周辺環境

2013年度の1日平均乗車人員は15人とされています。利用者の多くは、近隣の高校に通う生徒です。昭和30～40年代には1日の乗降客数が600名を超えていた時期もあったと伝えられています。駅周辺は山間部に位置し、国道10号沿いに民家が点在しています。かつては商店や食堂などもありましたが、現在は廃業しています。駅北西側には小規模な住宅地が広がっています。宇目郵便局、大分県住宅供給公社が整備した大原団地、鴟野尾神社なども駅周辺にあります。

アクセスと周辺情報

重岡駅へは、国道10号、大分県道39号小野市重岡線を利用できます。公共交通機関としては、佐伯市コミュニティバス（大分バス委託）が運行されています。佐伯駅経由葛港行き、柿木経由ふれあいセンター宇目行きなどがあります。かつては、大野交通の三重町駅方面行きのバス路線も運行されていましたが、現在は柿木で系統分割され、乗り継ぎが必要となっています。

隣の駅

重岡駅の隣の駅は、下り方面が宗太郎駅、上り方面が直川駅です。直川駅と重岡駅の間には、川原木信号場があります。

まとめ

重岡駅は、歴史と変化を刻みながら、現在も地域住民や観光客に利用されています。かつての賑わいを取り戻すことは難しいかもしれませんが、地域のシンボルとして、静かにその役割を担い続けていると言えるでしょう。その歴史と現状、そして周辺環境を知ることで、重岡駅の魅力をより深く理解することができるはずです。

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