重政誠之

重政 誠之の生涯と業績

重政誠之（しげまさ せいし）は1897年に広島県深安郡神辺町で生まれ、1981年に84歳で亡くなるまで、多くの政治活動を通じて日本の農業政策に大きな影響を与えました。そのキャリアは、官僚から政治家へと多岐にわたり、数々の役職を歴任しました。

学歴と初期のキャリア

彼は広島県立福山中学（現・広島県立福山誠之館高等学校）を卒業後、第六高等学校を経て東京帝国大学法学部に進学します。1923年に農商務省に入省すると、その才能を活かし、さまざまな役職に就くこととなります。ひとくちに官僚といっても、重政誠之は小磯内閣の農商次官や、東久邇宮内閣の農林次官など、重要なポジションを歴任し、岸信介とともに当時の官僚制度の中で「双璧」と称される存在となりました。

戦後の困難と再起

戦後、彼は占領軍によって公職追放を受けましたが、持ち前の持続的な能力で再び政治の舞台に戻ることとなります。1948年には昭和電工疑獄事件で逮捕され、一部無罪となるものの、懲役1年・執行猶予1年の有罪判決を受けましたが、これが彼のキャリアに影響を与えたものの、挫けずに政治活動を続けました。

衆議院議員としての活躍

1952年、自由党の公認を得て衆議院議員選挙に立候補し、見事当選を果たします。以後6期にわたり当選し、同時期に当選した福田赳夫や大平正芳などと共に、戦後日本の政治に影響を与える存在となりました。特に農商務省時代に築いた人脈を生かし、河野一郎記者との交流が深まることにより、自民党では河野派（春秋会）の重要なメンバーとして活動しました。

農林大臣としての業績

1962年には第2次池田第2次改造内閣で農林大臣に就任し、農政において重要な役割を果たしました。米価問題に関して「米価は徳川時代から政治米価」との視点を提示し、日本の農業政策における重要性を訴えました。しかし、彼のキャリアには波乱もありました。河野一郎の死去を受けて旧河野派の実質的なリーダーとなりますが、共和製糖事件により彼の指導力は揺らぎます。この事件に関連する疑惑が生じる中で、重政誠之は派閥の実権を森清に譲ることとなりました。

政界引退と最晩年

1967年の衆議院議員総選挙で「事件はただのマスコミの捏造だ」と主張しながらも再選を果たしましたが、1969年には第32回衆議院議員総選挙で落選し、政界から引退しました。その後、彼は静かに晩年を過ごし、1981年に逝去。重政誠之の墓所は青山霊園にあり、彼の功績を称える顕彰碑が建立されています。

家族 Background

重政誠之は妻千代子との間に子をもうけ、家庭でも充実した人生を送りました。また、兄である重政庸徳も政治活動を行っており、家族全体が公職に関与していたことが伺えます。重政家を通じて日本の近代政治の動きが見えてきます。

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