野与党

野与党（のよとう）

野与党は、平安時代後期から鎌倉時代にかけて、武蔵国（現在の埼玉県付近）で勢力を誇った武士団です。武蔵七党の一つに数えられ、特に埼玉郡の野与庄（現在の加須市付近）を中心としてその勢力を拡大しました。足立郡や比企郡など、武蔵国内の各地にも同族が存在していました。

歴史

野与党は、桓武平氏の流れを汲む一族とされています。平忠常の子である胤宗の子、基宗を祖とする説が有力です。基宗は野与庄を拠点とし、その子孫たちが武士団として発展していきました。一族は23家に分かれ、それぞれが地域に根ざした活動を行いました。

野与党の主な氏族

野与党には、以下の氏族が含まれています。

野与氏
多名氏
金氏
鬼窪氏
柏間氏
道智氏
多賀谷氏
道後氏
笹原氏
大蔵氏
南鬼窪氏
西脇氏
白岡氏
箕勾氏
柏崎氏
戸田氏
大相模氏
須久毛氏
渋谷氏
金重氏
野崎氏
利江氏
高柳氏

これらの氏族は、それぞれが独自の領地を持ち、地域社会において重要な役割を果たしていました。また、一族間での婚姻や連携を通じて、その勢力を維持・拡大していきました。

系図

平高望
　 ┃
　良文
　 ┃
　忠頼
　 ┃
　忠常
　 ┃
　胤宗
　 ┃
　基宗
　 ┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
野与基永　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　村山頼任
　 ┣━━━━━━━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━┓（村山党へ）
　行基　　　　　　　　　　　　　道智頼意　　　　　　　大蔵經長　
　 ┣━━━━━━┳━━━━┓　　　┃　　　　　　　　　　┣━━━┓
多名長綱　　　鬼窪定綱　菅間弘光　頼基（有賀頼基）　　　行長　渋江經遠
　 ┣━━━┓　　　　　　　　　　　┣━━━━┳━━━┓（大蔵氏へ）
金平長光　忠光　　　　　　　　　　直基　多賀谷光基　季頼　
　　　　　　　　　　　　　　（道智氏へ）（多賀谷氏へ）

武蔵七党との関わり

野与党は、武蔵七党の中でも有力な一派であり、他の党との関係も密接でした。特に、児玉党、猪俣党、村山党、横山党、丹党、西党、綴党、私市党などとは、婚姻関係や軍事的な同盟を通じて連携し、武蔵国における勢力均衡に影響を与えました。

関連項目

武蔵七党
児玉党
猪俣党
村山党
横山党
丹党
西党
綴党
私市党

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