野呂恭一

野呂恭一の政治家としての歩み

生い立ちと教育

野呂恭一（のろ きょういち）は、1919年11月30日に三重県飯南郡飯高町で生まれました。家族には宮前村の村長を務めた父、野呂庫二郎がいました。彼は東京高等師範学校を卒業しましたが、彼の政治活動は父の公職追放の影響を受けることになります。

政治キャリアの出発

戦後、彼は父に代わり、27歳という若さで三重県議会議員選挙に立候補しました。地元飯南郡から出馬し当選、これが彼の政治家としてのスタートでした。その後、自由民主党三重県連の幹事長をはじめとする様々な役職を歴任し、1959年には三重県議会議長に就任しました。

衆議院議員への転身

その後、1963年の第30回[[衆議院議員総選挙]]に立候補し、見事初当選を果たします。三木武夫に師事し、三木派に所属することになります。この時期、彼は様々な政策に携わり、1971年には第3次佐藤改造内閣において防衛政務次官に任命されました。野呂が任期を務めていた間には、沖縄返還に伴う重要な交渉にも携わりました。

政務官としての活動

1972年には第2次田中内閣において法務政務次官に就任しました。また、彼は1973年に息子の野呂昭彦を秘書に迎えました。四十日抗争の際には、三木や海部俊樹とともに福田赳夫に一票を投じるなど、忠誠心を見せました。1979年には第2次大平内閣で厚生大臣に就任し、1980年の内閣不信任決議案では、欠席する同僚たちに反して、石田博英らと共に出席し、反対票を投じる勇気を見せました。

政界からの引退

1983年には、肺がんの診断を受け、64歳で政界を引退しました。彼の後任には長男の昭彦が就任し、家族は政治的な血筋を受け継いでいきました。1990年には勲一等瑞宝章を受章し、彼の功績が認められました。

家族と親族

野呂恭一の家族には、父・庫二郎と長男・野呂昭彦がいます。昭彦は後に衆議院議員、厚生政務次官、松阪市長、さらには三重県知事を務めました。また、姪の夫は松阪市議会議長を務めた久保賢の長男であり、政治的なつながりを持っています。甥の野呂昌彦は井村屋グループの元取締役を務めた人物です。

主な著作

野呂は政治活動の他にも著作活動を行いました。彼の著書には、『恩給は倫理・共済は連帯―恩給と共済年金の改善のために』(1978年)と『赤坂九丁目七番地―防衛政務次官のメモ』(1972年)があり、政治や恩給制度に関する彼の見解が反映されています。

参考文献

彼の政治的なキャリアなどについて詳しくは、喜田孜による『政陣四季 野呂恭一 政治二十年』を参照することができます。彼の政治人生は、三重県を代表する有力な政治家としての重要な一章を成しています。

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