野田正昇

野田正昇の生涯と業績

野田正昇（のだ まさのり、1876年12月21日 - 1947年6月11日）は、明治から昭和前期にかけて農業経営者、政治家、陸軍軍人として活躍した人物である。愛知県丹羽郡大口村（現在の大口町）に生まれ育ち、父は代々庄屋を務めた。そのため、早くから地域の社会活動にも関わりながら成長していった。

教育と軍歴

幼少期から期待を受けた野田は、1886年に家督を相続した後、陸軍教導団に入団し、日露戦争に従軍した。彼は陸軍歩兵少尉に進級後、陸軍幼年学校の教官としても勤務し、その後は予備役に編入された。こうした経験は、彼の後の政治活動や地域発展への取り組みにおいて重要な基盤となった。

農業経営者としての活動

1907年、早稲田大学専門部法律科を卒業後、故郷に戻った野田は農業に従事することを決意した。彼は丹羽郡の養蚕組合長や桑苗組合長、さらに農会長などを歴任し、地域の農業振興に貢献した。特に、愛知県養蚕業組合連合会長としての活動は、その地域の産業を支える重要な役割を果たした。

政治家としてのキャリア

野田の政治活動は1909年に大口村会議員に選出されることから始まった。1912年には大口村長に就任し、以後30年間村長として地域の発展に尽力した。彼の任期中には、地域教育の向上にも力を入れ、丹羽郡教育会長や愛知県教育会副会長などの役職も務めた。1923年には愛知県会議員に選出され、4期にわたって在任し、県議会議長も2期経験した。

また、愛知県町村会会長や大政翼賛会愛知県協力会議長など、多くの役職を歴任し、地域の発展に寄与したことは評価されるべきである。特に、教育や農業政策に関する強い関心は、彼の政治活動の特徴であった。

戦後の変遷と公職追放

1942年、野田は第21回衆議院議員総選挙に出馬し、翼賛政治体制協議会の推薦を受けて当選する。しかし、戦後は日本進歩党に加入するも、公職追放の対象となる。彼の政治人生は戦争を経て大きく変わり、役職を失ったことは、当時の政治情勢を如実に物語っている。

まとめ

野田正昇は、地域に根ざし、農業、教育、政治など多岐にわたって活躍した偉大な人物であった。彼の努力と功績は今もなお、愛知県の発展に寄与しており、その足跡は後世に語り継がれるべきである。彼の生涯は、地域社会におけるリーダーシップや公共のために尽力する姿勢の重要性を教えてくれる。

参考文献

• - 『中京名鑑』名古屋毎日新聞社、1932年。
• - 衆議院事務局編『衆議院議員総選挙一覧 第21回』衆議院事務局、1943年。
• - 人事興信所編『人事興信録 第14版 下』人事興信所、1943年。
• - 『翼賛議員銘鑑』議会新聞社、1943年。
• - 衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 衆議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
• - 愛知県姓氏歴史人物大辞典編纂委員会『愛知県姓氏歴史人物大辞典』角川書店、1991年。

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