金持氏

金持氏の概要

金持氏（かなもちし）は、日本の氏族の一つで、伯耆国日野郡において在地領主として名を馳せました。本姓は藤原氏で、特に平安時代の末期にその名が歴史の舞台に登場しました。この一族は、日野地方で特産の砂鉄を背景に力を付け、源頼朝とも早くから関わりを持って、鎌倉御家人の一員となりました。

来歴の詳細

金持氏の本拠地は、伯耆国日野郡金持郷であり、歴史の中で様々な出来事の中心にありました。文治2年（1186年）には、金持某が守護職に就いていたことが確認され、元久2年（1205年）頃には金持広親、承久3年（1221年）には金持兵衛尉の名が守護者として文献に残されています。

しかし、金持氏の歴史は常に栄光に満ちていたわけではありません。宝治元年（1247年）の宝治合戦において、金持広綱が三浦泰村に味方した結果、所領が一時的に没収されてしまいます。しかし、広綱は合戦後に赦免され、再びその勢力を取り戻しました。これによって金持氏の名声は成長し続けました。

元弘3年（1333年）には船上山合戦に金持広栄が参戦し、一族の者や郎党と共に300余騎を率いて戦いました。また、同じ年の4月には六波羅探題攻略軍にも金持家武が参加しました。金持広栄は建武新政府からも評価され、武者所結番などの職を与えられました。

南北朝時代に入った際、金持氏は後村上天皇の治世においても南朝に忠誠を誓い続けましたが、次第に伯耆の本拠地が山名氏の支配下に入ることで、金持氏の勢力は徐々に衰えていくことになります。

主な人物

金持氏には多くの著名な人物が居ました。以下は、その一部です。

• - 金持広親: 歴史的文献で何度か言及され、氏族の繁栄に貢献したとされています。
• - 金持兵衛尉: 彼もまた、守護職に就いていたことがある人物です。
• - 金持広綱: 宝治合戦での行動が特に知られており、彼の後に続く世代に影響を与えました。
• - 金持家武: 六波羅探題攻略軍での活動が評価されました。
• - 金持広栄: 武者所結番などの職を得たことで、金持氏の中で重要な役割を果たしました。

また、金持氏には他にも金持広重や金持広顕（通称・新三郎）などの人物がいます。広顕は、同時期の地頭であり、南朝に仕える際に重要な役割を果たしました。

参考文献

このように金持氏は、伯耆国とその周辺において多くの歴史的な出来事に関与し、形成されてきました。金持宮や大山寺などの存在からも、その名が後世に残り続けています。

彼らの歴史は、日本の氏族の中で重要な位置を占めるものであり、さまざまな文献によって今もなお研究が進められています。

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