金氏 (新羅族)

金氏（こんし、きんし）

金氏は日本に存在する氏族の一つであり、その起源は古代新羅王族に由来します。この氏族は、武蔵国埼玉郡にルーツを持ち、天平5年（733年）に金姓を授けられました。金氏の歴史は、古代の日本と韓国の交流や、帰化した新羅人たちの影響を浮き彫りにします。

出自

金氏の祖先は、新羅系の帰化人であり、奈良時代にはすでに日本に来ている新羅人の存在が確認されています。多くの新羅人は京都に移住しましたが、金氏の祖先は特に東国の開発に携わり、その中で新羅王族金氏始祖の金閼智の子孫を名乗るようになりました。

特に、天平5年には、武蔵国埼玉郡の新羅人である徳師等が、金姓を求め、それが許可される事件がありました。この出来事は金氏にとって重要なものであり、彼らの存在が日本の貴族社会に影響を与える基盤となりました。さらに、天平宝字2年（758年）には、武蔵国に新羅郡が設置されると共に、金氏もこの地に移住しました。

新羅王族金氏の匈奴渡来説

金氏についてのさらなる研究によれば、その起源には新しい見解が存在します。1954年に山西省で発見された新羅文武王陵碑や唐故金氏夫人墓銘には、新羅王族金氏が匈奴からやってきたという記録が含まれています。この説は、韓国の研究者によっても注目され、匈奴系の文化的影響が金氏の成立に寄与したのではないかとの意見が提起されています。

実際に、積石木槨墳から出土した副葬品に見られる匈奴系の文化との類似性は、この説を裏付ける重要な資料として位置づけられています。このように、金氏の歴史は古代日本と韓国の文化交流を示し、今なお研究が続けられています。

参考文献

• - 太田亮「国立国会図書館デジタルコレクション 金 コン キン コガネ カネ」『姓氏家系大辞典』 第2、上田萬年、三上参次監修、姓氏家系大辞典刊行会、1934年、2395-2396頁。全国書誌番号:47004572。
• - 豊田武『苗字の歴史』中央公論社、1971年。

関連項目

• - 慶州金氏

金氏の存在は、日本の氏族社会における多様性と、文化的背景の深さを象徴しており、その研究は今後の歴史理解にとっても重要となるでしょう。

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