金沢五社

金沢五社：歴史と文化が息づく、金沢の古社巡り

金沢五社とは、石川県金沢市に鎮座する五つの神社の総称です。具体的には、宇多須神社、小坂神社、神明宮、椿原天満宮、安江八幡宮を指し、いずれも江戸時代から金沢の地で人々の信仰を集めてきました。五社は近代の社格制度において県社に列格され、その格式の高さを示しています。また、これら五社すべてを巡拝する「五社参り」は、かつて盛んに行われていました。

各社の詳細

宇多須神社

718年（養老2年）に創建されたと伝わる古社です。1599年（慶長4年）には、前田利家公を密かに祀ったとされています。尾山神社の創建に伴い、元の祭神である高皇産霊神が遷座されました。

所在地：金沢市東山一丁目30番8号

小坂神社

717年（養老元年）の創建。春日大社の荘園であった土地に鎮座し、「春日さん」として地域住民に親しまれています。主祭神は天児屋根命、経津主命、比咩神、武甕槌大神です。

所在地：金沢市山の上町42番1号

神明宮

「日本七神明」の一つに数えられる古社です。春と秋に行われる「あぶりもち神事」は、多くの人々で賑わいます。詩人・中原中也が幼少期に境内で見たサーカスを題材にした詩『サーカス』や、室生犀星とも縁があります。主祭神は天照皇大神、豊受姫大神です。

所在地：金沢市野町二丁目1番8号

椿原天満宮

1297年（永仁5年）に守護・富樫義親によって創建されました。寛永年間に現在の地に移転。かつて一向一揆の際に須崎兵庫が陣を構えた椿原砦の跡地でもあります。近年では、拝殿で室内楽やフォーク、ロックなどのコンサートが開催され、地域住民の憩いの場となっています。主祭神は菅原道真公です。

所在地：金沢市天神町一丁目1番13号

安江八幡宮

939年（天慶2年）に創建。金沢水天宮の別名を持ち、石川県内で唯一水天宮を祀っています。郷土玩具「加賀八幡起上がり」はこの神社に奉納されたのが起源であり、石川県のマスコットキャラクター「ひゃくまんさん」のモチーフにもなっています。主祭神は誉田別尊、気長足姫尊です。

所在地：金沢市此花町11番27号


金沢五社は、それぞれの神社が独自の歴史と文化を持ち、金沢の歴史と深く関わっています。五社巡りを通して、金沢の歴史や文化に触れてみてはいかがでしょうか。

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