金沢能楽美術館

金沢能楽美術館は、石川県金沢市広坂に位置する、能楽を専門とする美術館です。2006年に開館し、金沢市の重要な伝統芸能である加賀宝生に関連する貴重な美術品を収集・展示しています。

概要

美術館は、かつてこの地にあった金沢能楽堂の歴史を継承する形で建設されました。金沢市の中心部、香林坊から兼六園へと続く百万石通りと、金沢21世紀美術館の間に位置し、両施設を結ぶ回遊路の一部としても機能しています。通り抜けできる通路が設けられ、観光客の利便性を高めています。

展示内容

館内は3つのフロアで構成されています。1階と2階が展示室、3階が研修室です。

1階：導入展示室
加賀宝生の能舞台を映像で解説する展示や、1932年に建てられた金沢能楽堂の模型が展示されています。能楽の世界への入門として、視覚的に理解を深めることができます。
2階：メイン展示室
加賀宝生の豪華な能装束や、表情豊かな能面が展示されています。これらの展示品を通して、能楽の歴史や文化、美意識に触れることができます。
3階：研修室
能の所作を学んだり、能楽を体験できる教室が開催されています。また、伝統文化の継承を目的とした「子ども塾」も開かれています。

佐野家伝来能楽資料

美術館には、金沢市指定文化財である佐野家伝来能楽資料が収蔵されています。この資料は、能面14面、能装束61領、扇10本、計85点から構成されています。佐野家は、加賀藩の第五代藩主である前田綱紀の時代に始まった加賀宝生が、明治時代に一時衰退の危機に瀕した際、佐野吉之助によって再興されたという重要な役割を担った家柄です。

金沢・クラフト広坂

金沢能楽美術館には、金沢の伝統工芸品を展示・販売する「金沢・クラフト広坂」が併設されています。ここでは、加賀象嵌、加賀繍、加賀水引、加賀毛針など、金沢を代表する工芸品の数々を見ることができます。お土産選びにも最適なスポットです。

利用案内

開館時間: 10時 - 18時 (入館は午後5時30分まで)
観覧料:
一般: 310円
団体 (20名以上): 260円
65歳以上: 210円 (祝祭日は無料)
高校生以下: 無料
金沢市文化施設共通観覧券が利用可能です。
金沢21世紀美術館との共通観覧券もあります。

周辺施設

金沢能楽美術館の周辺には、以下の観光スポットがあります。

金沢21世紀美術館
石川県政記念しいのき迎賓館
石浦神社
兼六園
金沢城公園
四高記念文化交流館
石川近代文学館
四高記念館
いしかわ四高記念公園
金沢市役所

交通アクセス

金沢駅からバスで約20分、「広坂」バス停下車
* 金沢ふらっとバス (材木ルート) 「市役所・21世紀美術館」バス停下車

金沢能楽美術館は、能楽ファンだけでなく、金沢の歴史や文化に興味がある方にもおすすめのスポットです。

もう一度検索