金炯元

金炯元: 日本統治時代の詩人とジャーナリスト

金炯元（キム・ヒョンウォン、1900年 - 没年不詳）は、日本の統治が続く朝鮮およびその後の朝鮮民主主義人民共和国で活躍した詩人であり、ジャーナリストです。彼の本貫は金海金氏で、号は石松。特に彼が執筆した著作の中では金 石松という名前でも知られています。

生涯の概要

彼は忠清南道論山市の江景浦で生を受けました。普成高等普通学校を中退した金炯元は、1920年代に東亜日報や朝鮮日報で記者として働きながら、同時に詩壇でも活動を開始します。特に彼は詩集『開闢』を発表し、詩の世界での地位を確立しました。また、彼はパスキュラに参加し、詩『不純の血』などを発表しました。この時期、彼は取材中に暴力に遭遇しそうになった経験も持っています。

彼は後に東亜日報の社会部長及び毎日新報の編集局長を歴任し、文芸誌『生長』を立ち上げました。日本統治時代の朝鮮が終わりに近づくにつれて、金炯元は朝鮮文人協会の発起人としての役割も果たしました。2008年には民族問題研究所が発表した親日人名辞典の収録候補者として名が挙がるなど、彼の影響力は続きました。

戦後の活動と晩年

1946年、金炯元は李範奭の民族青年団の副団長として積極的に活動し、その後も大東新聞の副社長や大公新聞の社長を務めました。彼は制憲国会総選挙において論山から立候補しますが、残念ながら落選してしまいます。しかし、その後すぐに第1共和国で公報処の次長に任命され、彼の影響力は健在でした。

しかし、1950年に勃発した朝鮮戦争中に金炯元は行方を絶ちます。彼は拉致されたとされ、その後出版社で校正者として働くことになりますが、1956年には咸鏡南道の炭鉱で労働者として配置された後、再び消息不明となったと言われています。この一連の出来事の詳細は明らかではありません。

主要な作品と影響

金炯元の著作には『無産者の絶叫』や『生長の均等』、『生命の腐った臭い』などがあり、彼はアメリカの詩人ウォルト・ホイットマンからも影響を受けました。代表作として1924年に発表された『今は夜明けの4時』が挙げられます。また、作曲家の安基永が曲を付けた民謡風の詩『懐かしい江南』は、後に歌曲として多くの人に親しまれました。

金炯元は、日本統治時代の朝鮮で重要な文化的役割を果たした存在であり、彼の作品や活動は今日でも多くの人々に影響を与え続けています。

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