金白一

金白一 (キム・ベギル) の生涯

金白一（キム・ベギル）は、1917年1月30日に現在の中国吉林省延吉県で生まれました。彼は大韓民国の軍人として知られ、朝鮮戦争では韓国陸軍第一軍団の指揮を執った人物です。本名はキム・チャンギュであり、創氏改名を経て金澤俊男という名前を持っていました。彼の父が早くに亡くなったため、祖父の金永学に育てられ、独立運動家としての祖父の影響を強く受けました。

学生時代と軍歴の始まり

金白一は延吉で地元の小学校を卒業後、恩眞中学校に進学しましたが、1年で京城の普成中学校に転校しました。在学中には美術に興味を持ち、また同級生には著名な軍人もいました。卒業後、吉林高級中学を経て1936年に奉天の中央陸軍訓練処に入学し、1937年には満州国軍に少尉として任官されました。彼は間島特設隊に所属し、匪賊討伐で功績を残し、最終的に上尉に昇進しました。

戦後の南朝鮮移動

1945年に終戦を迎えると、彼は故郷の咸鏡北道から南朝鮮に移住します。自身の経歴から共産ゲリラの襲撃に対する危機感を抱き、1945年12月24日に平壌を出発し、12月27日に38度線を越えました。このとき、彼は「白一」という名を思いつきます。ソウルに到着後は病気のため入院しましたが、すぐに南朝鮮国防警備隊に入隊し、中尉に任官されました。彼は設立した連隊の初代連隊長となりましたが、結婚式を巡るスキャンダルで一時副連隊長に降格されました。

韓国軍の指導者として

金白一は多くの重要なポジションを歴任しました。1949年には歩兵学校初代校長に就任し、朝鮮戦争が勃発すると、陸軍本部の実質的指導者となります。彼の軍事的判断力と指導力は特に評価され、ゲリラ戦の名手としてその名を馳せました。韓国軍内での実績として、釜山橋頭堡の防衛や、興南撤収作戦での約10万人の難民を救出する役割があります。

不運な最期

1951年3月28日、彼は驪州での会議に出席後、江陵に向かう途中で不慮の事故に巻き込まれ、命を失いました。彼の死後、金白一は中将に昇任され、太極武功勲章が授与されました。

評価とその影響

彼は気性が激しく、それが時に問題を引き起こしたものの、戦場での指揮能力に優れた人物として評価されています。特にゲリラ戦における理念や戦術が注目され、その影響力は後の軍人にも継承されています。ただし、彼の経歴に関連する事件もあり、政治的な評価は分かれています。そのため、彼の銅像は設立後に撤去運動の対象となることもあり、その複雑な評価が示されています。

金白一の生涯は、彼の軍事に対する情熱と、時代の変動に翻弄された波乱の歴史を映し出す物語です。彼は今も韓国の歴史において重要な人物として記憶されています。

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