金雄

金 雄（キム・ウン）

金雄（キム・ウン、韓国語: 김웅）は、朝鮮民主主義人民共和国の軍人として知られ、その活動は中国名で王信虎と呼ばれることでも知られています。彼は延安派に所属しており、日中戦争や朝鮮戦争において重要な役割を果たしました。特に彼は朝鮮戦争開戦時、第1軍団の長として多大な影響力を持っていました。

経歴

金雄は1912年に慶尚北道で生まれました。彼は1930年代の初頭に中国に渡り、1933年には中央陸軍軍官学校に入学しました。卒業後、延安に移り抗日軍政大学で学び、中国共産党に加入しました。また、彼の活動は多岐にわたり、1940年からは八路軍第5縦隊に随行し、江蘇省北部で新四軍第3師の一員として活動しました。そこで彼は主に偵察や捕虜の尋問、破壊工作に従事しました。

1942年には朝鮮義勇軍華北支隊の隊長として指導的な役割を果たし、1944年には華中支隊を組織しました。1945年には新四軍区の華中支隊長に就任し、義勇軍の指揮を執りながら満州の国共内戦にも参加しました。

1946年には38度線以北に帰国し、その後中央保安幹部学校の政治校長などを経て、1947年には第1師団長に就任します。1948年からは労働党中央委員会の委員となり、同年9月には民族保衛省での重要な役職に就きました。1950年、朝鮮戦争が勃発した際には第1軍団長として西部方面での戦闘に指揮を執りましたが、開戦前日における出来事が大騒動を引き起こしました。

金雄は朝鮮戦争の間、中国人民志願軍が参加した後に中朝連合指揮部の副司令員に就任し、さらに戦局が進む中で複数の重要なポジションを歴任しました。1952年には民族保衛省の副相に昇進しましたが、軍内の権力闘争の中で実権を失っていきました。

評価

金雄の軍事的能力は同時代の武亭よりも高いと評価され、特に指揮官としての能力に関してはロイ・アップルマンから「豪傑」であり「精力的で厳格」な人物だと称賛されました。彼は攻撃力に優れた一方で防御力にはやや欠けるとされ、部下に対しては尊敬より恐れを抱かせる存在でした。

休戦後は軍事クーデターの陰謀に関与したとされ、1960年には秘密裁判で銃殺刑を宣告されるなど、その運命は波乱に満ちたものでした。金雄は朝鮮の軍事史に名を残す重要な人物であり、その生涯と活動は多くの議論を呼ぶものです。

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