金鶏百花映画祭

中国金鶏百花映画祭

中国金鶏百花映画祭（ちゅうごくきんけいひゃっかえいがさい）は、中国本土で最も権威ある映画賞の一つであり、中国映画家協会によって1992年に設立されました。この映画祭は、その規模と影響力において、中華圏の映画界における主要なイベントとして位置づけられており、台湾の金馬奨、香港の香港電影金像奨と並んで「中華圏三大映画賞」と称されています。

概要

本映画祭の大きな特徴は、異なる性質を持つ二つの映画賞、「金鶏奨（金鶏奨）」と「百花奨（百花奨）」を統合して開催されている点です。

金鶏奨：映画専門家や評論家、映画関係者などによる厳正な審査に基づいて、芸術性の高い作品や技術的な成果を評価・表彰します。
百花奨：一般観客による投票によって選出され、大衆的な人気や支持を集めた作品や俳優を表彰します。中国本土で最も歴史のある映画賞の一つです。

この二つの賞を組み合わせることで、中国映画の芸術的な追求と大衆文化としての側面、その両方を讃える祭典となっています。

主要な部門

中国金鶏百花映画祭では、映画製作の様々な分野における優れた功績に対して賞が授与されます。主な部門には以下のようなものがあります。

最優秀作品賞
最優秀監督賞
最優秀主演男優賞
最優秀主演女優賞
最優秀助演男優賞
最優秀助演女優賞
最優秀新人賞

これらの部門に加え、脚本、撮影、美術、音楽など、多くの技術部門や個人賞が設けられています。

歴代最優秀作品賞（一部）

1992年の開始以来、多くの優れた中国映画が最優秀作品賞に輝いています。以下は主な受賞作品の一部です。

2001年（第10回）：『毛澤東在1925』
2002年（第11回）：『美麗的大腳』、『冲出亚马逊』
2003年（第12回）：『惊涛骇浪』、『故郷の香り』
2004年（第13回）：『美麗上海』
2005年（第14回）：『太行山上』、『ココシリ』
2006年（第15回）：『張思德』
2007年（第16回）：『雲水謡』
2008年（第17回）：『戦場のレクイエム』
2009年（第18回）：『戦場のレクイエム』、『花の生涯〜梅蘭芳〜』
2010年（第19回）：『建国大業』
2011年（第20回）：『飛天』
2012年（第21回）：『唐山大地震』
2013年（第22回）：『アメリカン・ドリーム・イン・チャイナ』、『周恩来的四个昼夜』
2014年（第23回）：『グランド・マスター』
2015年（第24回）：『神なるオオカミ』
2016年（第25回）：『烈日灼心』
2017年（第26回）：『オペレーション・メコン』
2018年（第27回）：『オペレーション:レッド・シー』
2019年（第28回）：『流転の地球』
2020年（第29回）：『愛しの母国』
2021年（第30回）：『守島人』
2022年（第31回）：『1950 鋼の第7中隊』
2023年（第32回）：『封神・妖姫とキングダムの動乱』

国際映画部門における日本映画の受賞歴

国際映画部門においては、日本の作品も高い評価を受け、多数の賞を受賞しています。

2008年：滝田洋二郎監督の『おくりびと』が、作品賞、監督賞、男優賞を獲得しました。
2010年：成島出監督の『孤高のメス』が最優秀賞に選ばれました。
2011年：『エクレール・お菓子放浪記』に出演した吉井一肇氏が最優秀男優賞を受賞しました。
2013年：冨樫森監督の『おしん』と佐々部清監督の『ツレがうつになりまして。』が、共に最優秀作品賞を受賞しています（『ツレがうつになりまして。』は特に「最受歓迎外国電影奨」として表彰されました）。
2017年：雑賀俊朗監督の『カノン』が、最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀女優賞という主要部門を制覇しました。

これらの受賞は、日本映画が中国の観客や映画界からも高く評価されていることを示しています。

第17回（2008年）主要部門受賞者・作品

以下は、2008年に開催された第17回映画祭における主要部門の受賞者および作品です。

最優秀作品賞：『戦場のレクイエム』
最優秀監督賞：馮小剛（フォン・シャオガン） - 『戦場のレクイエム』
最優秀主演男優賞：張涵予（チャン・ハンユー） - 『戦場のレクイエム』
最優秀主演女優賞：李氷氷（リー・ビンビン） - 『雲水謡』
最優秀助演男優賞：鄧超（ドン・チャオ） - 『戦場のレクイエム』
* 最優秀助演女優賞：帰亜蕾（グィ・アーレイ） - 『雲水謡』