鈴木勝 (歯学者)

概要

鈴木勝（すずき まさる）は、1903年に福島県河沼郡柳津町で生まれ、1987年に生涯を閉じた日本の歯学者です。医学博士の学位を持ち、第六代日本大学総長、第四代・第五代日本歯科医学会会長を歴任しました。会津の山々に囲まれた自然豊かな場所で生まれ、旧制会津中学校を卒業後、日本大学専門部歯科に進学しました。大学在学中には馬術部の創設に携わり、選手としても活躍しました。卒業後は母校の助教授として放射線学教室を担当し、その後教授に就任。更なる知識と医学学位の取得を目指し、東京医学歯学専門学校（現・東京医科歯科大学）医学科を卒業しました。日大に戻ってからは、歯学部教授、学監、歯学部長、理事、そして総長を歴任しました。

日大紛争と総長就任

1960年代の日大紛争では、理事として学生側との交渉にあたり、紛争収束に尽力しました。1969年には総長に選任され、1984年までの長きにわたりその任を務めました。この間、理事長も兼任し、大学の制度改革や学生数の適正化、教員の充実などに尽力しました。総長としての在任期間は、5期15年にも及びます。

教育・研究への貢献

1971年には日本大学松戸歯科大学（現・日本大学松戸歯学部）と同付属病院を設立しました。松戸歯学部には、鈴木の寄付金を基にした奨学金制度が設けられ、資料室には鈴木が収集した歯学関係の資料が保管されています。鈴木が提唱した「医学的歯学」は、松戸歯学部の教育研究理念として受け継がれています。

その他の役職

鈴木は、日本歯科医学会会長をはじめ、国際歯科学士会日本部会会長、大学設置・学校法人審議会会長、歯科医師国家試験委員、医道審議会委員、日本学術会議会員、横綱審議委員会委員など、数々の要職を歴任しました。また、会津会会長として、会津地方出身者の中心的な存在でもありました。

栄典・顕彰

鈴木の功績を称え、勲一等瑞宝章が授与されました。また、日本大学名誉総長、福島県県外在住功労者知事表彰、柳津町名誉町民などの称号も贈られています。

関連書籍

鈴木の業績や思想をまとめた書籍として、以下のようなものがあります。

河邉清治『河邊清治対談集 私の歯学概論』 医歯薬出版
鈴木勝監修『歯学史資料図鑑 目で見る歯学史』 医歯薬出版

鈴木勝は、歯学界の発展に大きく貢献しただけでなく、教育者としても多くの人材を育成しました。その功績は、今もなお多くの人々に影響を与えています。

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