鉄路節

鉄路節（てつろせつ）とは

鉄路節は、台湾における鉄道を記念する祝日であり、毎年6月9日に祝われます。日本の「鉄道の日」（10月14日）に相当する記念日です。この日には、台湾各地で様々な鉄道関連イベントが開催され、鉄道ファンにとっては見逃せない日となっています。

鉄路節の由来

鉄路節が6月9日に制定された背景には、2つの説があります。

1. 清朝時代の中国大陸における鉄道起工：
清朝時代、中国大陸では、イギリスの鉄道技師ジョージ・スチーブンソンの生誕100年にあたる1881年6月9日に、唐胥鉄路（現在の七灤線）が起工されました。これが、鉄路節の起源とする説です。戦後、台湾を統治した中華民国政府は、1965年からこの起工日を根拠に鉄路節を制定しました。

2. 清朝時代の台湾における鉄道事業開始：
清朝統治時代の台湾では、当時の台湾巡撫であった劉銘伝の近代化政策により、1887年6月9日に全台鉄路商務総局が設立され、基隆駅と台北駅（後の大稲埕駅）を結ぶ鉄道の建設が始まりました。この台湾における鉄道事業開始日を鉄路節の起源とする説もあります。しかし、中華民国政府は、あくまで唐胥鉄路の起工日を根拠として鉄路節を記念しており、台湾側の鉄道事業とは直接的な関係はありません。

鉄路節の主なイベント

鉄路節には、毎年様々なイベントが開催されます。以下に主な例を挙げます。

記念列車の運行：
蒸気機関車（CK101、CK124など）が牽引する特別列車が運行され、鉄道ファンを魅了します。過去には、松山駅 - 菁桐駅間や内湾線などで特別列車が運行されました。
車両の一般公開：
普段は見ることができない貴重な車両が一般公開されます。例えば、日本統治時代のお召し列車「天皇花車」や、LDK59蒸気機関車などが公開されたことがあります。
鉄道模型の販売：
台湾の鉄道車両をモデルにしたNゲージ鉄道模型が限定販売されます。過去には、EMU700型電車やTEMU1000型電車（太魯閣号）のハローキティラッピング仕様などが販売されました。
駅弁の復刻販売：
初期の台鉄弁当で使われていたステンレス容器の弁当箱が復刻販売され、人気を集めています。
記念切符の販売：
「天皇花車」の装飾を模った記念切符など、特別なデザインの切符が販売されます。
鉄道文化に関するイベント：
鉄道文化の啓蒙や増進を目的としたイベントが開催され、鉄道の歴史や文化を学ぶことができます。

台鉄之友

毎年、鉄路節の時期には、台湾鉄路管理局が鉄道文化の啓蒙や増進に貢献した鉄道ファンを表彰する「台鐵之友」の称号が授与されます。これは、国籍を問わず、鉄道愛好家にとって名誉ある賞とされています。

近年の鉄路節の動向

近年では、新型コロナウイルスの影響により、イベントの中止や規模縮小を余儀なくされることもありましたが、オンラインでのイベント開催や、感染対策を徹底した上でのイベント開催など、新たな試みも行われています。

まとめ

鉄路節は、台湾の鉄道の歴史と文化を祝う大切な日です。鉄道ファンはもちろん、そうでない人にとっても、鉄道の魅力を再発見する良い機会となるでしょう。台湾を訪れる際は、ぜひ鉄路節に合わせて鉄道関連のイベントに参加してみてはいかがでしょうか。

関連情報

鉄道の日：日本の鉄道記念日（10月14日）
全台鉄路商務総局：清朝統治時代の台湾に存在した鉄道運営機関
* 清朝統治時代の台湾：台湾における清朝統治時代（1683年 - 1895年）の歴史

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