内湾線

内湾線：歴史と変遷を辿る台湾のローカル線

内湾線は、台湾北西部の新竹市と新竹県を結ぶ、台湾鉄路管理局が運営する鉄道路線です。新竹駅から内湾駅まで、全長約27.9kmの道のりを結んでいます。

開業と変遷

内湾線は、第二次世界大戦後、台湾鉄路管理局が最初に開業した支線として知られています。開通当初は、沿線で産出される石灰や木材、そして周辺工場で生産されるセメントなどの貨物輸送が主な目的でした。しかし、新竹市の工業都市化や沿線の宅地化が進むにつれて、旅客輸送の重要性が増していきました。

さらに、台湾高速鉄道の開業に伴い、内湾線と台湾高速鉄道新竹駅を結ぶ新線（六家線）が建設され、内湾線は高速鉄道との接続路線としての役割も担うようになりました。これは、地域交通の利便性を高める上で大きな進歩と言えるでしょう。

近代化と高架化

台湾鉄路管理局では、台鉄捷運化計画の一環として、新竹駅から竹中駅までの区間の高架化と電化工事を実施しました。この工事のため、2007年から2011年までの4年以上にわたり、新竹 - 竹東間は運休を余儀なくされました。この期間中、代替として路線バスが運行されました。一方、竹東 - 内湾間は工事期間中も列車の運行を継続していました。この高架化工事によって新たに設けられた北新竹駅は、縦貫線と内湾線の接続点となり、新竹 - 北新竹間は縦貫線との重複区間となっています。

路線データ

内湾線の路線データは以下の通りです。

管理者: 台湾鉄路管理局
路線距離: 新竹 - 内湾間 27.9km
軌間: 1,067mm
駅数: 13
複線区間: 新竹 - 竹中間 7.9km
電化区間: 新竹 - 竹中間（交流25,000V）7.9km

歴史

内湾線の歴史を年表形式でまとめました。

1944年: 日本統治時代に建設開始。しかし、戦争末期の資材不足により建設は中止され、未成線となる。
1947年11月5日: 新竹 - 竹東間が竹東線として開業。
1950年12月27日: 竹東 - 合興間が延伸。横山駅、九讃頭駅、合興駅が開業。
1951年9月11日: 合興 - 内湾間が延伸、内湾駅が開業。同時に路線名を内湾線に改称。
1962年11月28日: 南河駅が開業。
1970年2月6日: 上員駅が開業
2001年11月24日: 栄華駅が開業。
2003年10月10日: 南河駅を富貴駅に改称。
2007年3月1日: 高架化工事のため、新竹 - 竹東間が運休。路線バスによる代行輸送を実施。
2011年11月11日: 新竹 - 竹東間が電化・高架化され、運転再開。北新竹駅、世博駅、竹科駅が開業。
2013年1月: 世博駅を千甲駅へ、竹科駅を新荘駅へそれぞれ改称。

使用車両

内湾線では、以下の車両が使用されています。

非対号列車

区間車:
DR1000型気動車
EMU600型電車（六家線開業時より新竹 - 竹中間で使用開始）
EMU500型電車

過去の使用車両

対号列車:
かつては、松山発内湾行きの復興号が休日のみ運行していたが、新竹 - 竹東間の運休に伴い運行を休止。

駅一覧

内湾線の駅一覧です。複線区間、単線区間の情報も記載しています。

新竹駅 ∥
北新竹駅 ∥
竹中駅 ∥∨
上員駅 ◇
栄華駅 ｜
竹東駅 ◇
横山駅 ｜
九讃頭駅 ｜
合興駅 ◇
富貴駅 ｜
内湾駅 ∧

関連事項

内湾線に関連する項目を以下に示します。

台湾の鉄道
台湾鉄路管理局

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