銀座っ子物語

銀座っ子物語

「銀座っ子物語」（ぎんざっこものがたり）は、1961年に大映によって製作された日本の劇場用映画です。東京・銀座を舞台にした青春コメディとして、同年1月3日に公開されました。海外では『The Ginza Three Boys』というタイトルで紹介されています。

あらすじ

物語の中心となるのは、銀座に暖簾を構える老舗呉服店「帯清」の三人の息子たちです。長男の一郎を川崎敬三、次男の雄二を川口浩、三男の修三を本郷功次郎がそれぞれ演じます。彼らは皆、スポーツに秀で、街でも評判の好青年ですが、不思議なことに家業である着物や呉服店経営には全く興味を示しません。このため、「帯清」の後を誰が継ぐのかという問題が、店の懸念事項となっています。

そんなある日、三兄弟はそれぞれ別の機会に、魅力的な女性、秋山千加美（若尾文子）と出会います。美しい千加美に、三人は揃って心を奪われ、同時に恋心を抱いてしまいます。誰が千加美のハートを射止めるのか、三兄弟の間に火花が散る恋愛模様が展開されます。さらに、彼らの恋の行方と並行して、家業への無関心さから生じる「帯清」の跡継ぎ問題が物語のもう一つの軸として描かれます。果たして三兄弟の誰が、そしてどのように店の未来と向き合うことになるのでしょうか。

製作陣

本作は、井上梅次が監督と脚本を手がけ、笠原良三が共同で脚本を担当しました。企画は原田光夫、製作は大映の永田雅一が務めています。撮影は中川芳久、音楽は大森盛太郎、美術は仲美喜雄がそれぞれ担当し、当時の銀座の雰囲気や青春群像を色彩豊かに描き出しています。

出演者

豪華なキャスト陣が作品に華を添えています。主人公である「帯清」の三兄弟を演じるのは、川崎敬三、川口浩、本郷功次郎。彼らが恋焦がれる美女、秋山千加美を若尾文子が演じました。その他、宝井清吉役に二代目 中村雁治郎、宝井きく役に三益愛子といったベテランに加え、江波杏子、野添ひとみ、角梨枝子、森川信、安部徹など、当時の大映を代表する俳優たちが多数出演しています。

主なキャストは以下の通りです。

若尾文子 - 秋山千加美
二代目 中村雁治郎 - 宝井清吉
川崎敬三 - 宝井一郎
本郷功次郎 - 宝井修三
江波杏子 - 桃子
野添ひとみ - セツ子
角梨枝子 - 悦子
川口浩 - 宝井雄二
三益愛子 - 宝井きく
森川信 - 手塚
若松和子 - 米太郎
矢島ひろ子 - 芸者千代駒
宮川和子 - 芸者秀也
十朱久雄 - 「福楽」の隠居
安部徹 - 西藤
清川玉枝 - さと江
紺野ユカ - フー子
中條靜夫
三角八郎
谷謙一 - 支配人
花布辰男 - 署長
大山健二 - 秋山四郎
竹内哲郎
橋本力
津田駿二
水村晃 - デカ
大川修
中原健
有川雄 - 木戸
武江義雄 - 木村
竹里光子
三島愛子
藍三千子
田中三津子 - 芸者〆福
三保まりこ - 芸者染吉
美山かほる
有明マスミ
小笠原まりこ
加治夏子
成田昇二 - 吉田
佐山真次
吉葉司郎
長田健二
松本幹二
仲村隆 - 後輩B
伊奈久男
篠崎一豊 - 後輩C
網中一郎 - 後輩A
* 阿部幸四郎

その他

本作は、公開時に『花くらべ狸道中』と同時上映されました。

スポーツ万能でありながら家業に無関心な三兄弟と、彼らが同時に恋した一人の女性を巡る騒動、そして老舗の跡継ぎ問題が絡み合う本作は、1960年代初頭の活気ある銀座を背景に、青春の輝きと軽妙なコメディタッチで描かれた作品と言えるでしょう。当時の人気スターたちの共演も見どころの一つです。

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