銀河3号 (ロケット)

銀河3号：北朝鮮のロケット開発と国際社会の反応

銀河3号は、北朝鮮が開発した3段式液体ロケットです。人工衛星打ち上げを目的としたと主張されていますが、その技術的基盤と射程距離から、長距離弾道ミサイルとの関連性が強く疑われています。本稿では、銀河3号の開発経緯、打ち上げ実績、国際社会の反応、そしてその技術的側面について詳細に解説します。

開発と改良

銀河3号は、以前に人工衛星軌道投入に失敗した銀河2号の改良型であり、テポドン2号ミサイルの派生型とも考えられています。北朝鮮は、銀河3号を「平和目的」の衛星打ち上げロケットと主張していますが、西側諸国は、その軍事転用可能性を強く懸念しています。別の名称として「火星13号」という呼称も存在しますが、グローバルセキュリティではKN-08を火星13号としているなど、情報には混乱が見られます。

打ち上げ実績

銀河3号は2回打ち上げられました。1回目は2012年4月13日、平安北道鉄山郡東倉里の西海衛星発射場から行われましたが、失敗に終わりました。北朝鮮はすぐに失敗を認めましたが、これは事前に外国報道陣に発射場を公開したことを考慮すると異例のことでした。

2回目の打ち上げは同年12月12日に行われ、この時は人工衛星「光明星3号2号機」の軌道投入に成功しました。北朝鮮とNORAD（北アメリカ航空宇宙防衛司令部）は軌道投入成功を発表しましたが、日本、アメリカ、韓国など各国メディアは、北朝鮮の弾道ミサイル技術の進歩を認めつつも、核弾頭搭載可能な大陸間弾道ミサイルの完成には至っていないと分析しました。

国際社会の反応

銀河3号の開発と打ち上げは、国際社会から強い批判を受けました。北朝鮮の弾道ミサイル・核開発計画と密接に関連していると見なされており、国際連合安全保障理事会決議1718と1874で発射が禁止されています。2012年4月の発射後には非難声明、12月の発射後には制裁決議2087が採択されました。これらの決議は、北朝鮮のミサイル技術開発を抑制し、核拡散を防ぐことを目的としています。

技術的側面

韓国が回収した残骸の米韓合同調査によると、銀河3号はスカッドやノドンミサイルの技術を基盤に独自開発されたもので、技術水準は1960～70年代のソ連の弾道ミサイルと同等か、ノドンと同等と分析されました。メインエンジンは、ノドンのエンジン4基をクラスター化した推力27トン級のもので、姿勢制御用補助エンジンも搭載していました。燃料はケロシン系の混合物、酸化剤は赤煙硝酸を使用。一部の電子機器は中国など5か国からの輸入品でした。日本の防衛省は、銀河3号の射程距離が1万キロメートルを超え、アメリカ本土も射程圏内にある可能性を指摘しています。

まとめ

銀河3号は、北朝鮮のミサイル技術の進歩を示す象徴的な存在です。人工衛星打ち上げを目的とする一方、その軍事転用可能性は国際社会の大きな懸念事項となっています。今後も、北朝鮮のミサイル開発とその国際的な影響は注視していく必要があります。

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