銀波川

銀波川（ウンパチョン）について

銀波川は、朝鮮民主主義人民共和国の黄海北道に位置する美しい川で、王城山から始まり、平山郡と麟山郡の境界を流れた後、銀波郡に至ります。この川は、流長71.8km、流域面積364km²、平均流域幅5.1km、勾配1.9‰、河川密度0.49km/km²という特徴があります。銀波川は、大同江水系に含まれる主要な川の一つであり、瑞興江に合流する重要な水系を形成しています。

自然環境

銀波川の特筆すべき点は、その自然環境にあります。この川は、丘陵地を流れるにもかかわらず、流れが穏やかであり、川底は石灰岩や粘板岩、さらには砂利で構成されています。流域一帯の地質は、上部原生代の祥原系、中生代、そして新生代の第四紀層からなる基盤岩で形成されています。これらの岩層は、石灰岩や礫岩、珪岩など、多彩な種類の岩石で構成されています。

上流域の降水量は年平均1,000〜1,300mmと比較的高く、流域の森林はその豊かさを物語っています。特に上流部にはクヌギが密集し、下流に向かうにつれアカマツの林が広がります。また、流域にそびえる東幕山（430m）、徳在山（440m）、遮日峯（607m）などの山々は、豊かな森林被覆と良好な土壌条件を形成しています。川にはコイ、フナ、コウライケツギョ、ウナギなどの魚が生息し、下流8kmまで潮汐の影響を受けるのも特徴です。

水利

歴史的には、銀波川の流域は洪水の被害に悩まされていましたが、治山治水作業が進められた結果、現在では安昌貯水池や数十kmにわたる堤防を含む水利構造物が建設されています。これにより、洪水の危険性は大幅に減少しました。

この川の水は、農業用の灌漑水だけでなく、工業用水や飲料水としても非常に重要な役割を果たしています。地域住民にとっては、生活の水源としての価値が高く、この川の存在は経済的にも大きな意義を持っています。

銀波川はただ水を流すだけでなく、自然環境の豊かさや地域の発展にも寄与している、大切な存在であると言えるでしょう。

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