岩国城

岩国城の歴史と概要

岩国城（いわくにじょう）は、山口県岩国市横山に位置する日本の山城です。この城は、江戸時代初期に岩国領の居城として重要な役割を果たしました。岩国城は本丸を中心に、南西に二ノ丸、北東に北ノ丸の曲輪が配置されており、他にも水の手などの防御施設が存在しました。また、麓には「御土居」と呼ばれる土塁が築かれ、城下町とともにその景観を形成しています。

本丸には4重6階の天守が建設されていたものの、明治時代に廃城となり、天守は解体されました。その後も御土居は陣屋として存続し、城下町の錦川には美しい錦帯橋が架かり、岩国市の象徴的な景観を作り出す要素となりました。現在、御土居跡は吉香公園として整備されており、横山山頂には再建された天守が位置しています。発掘によって旧天守台も見つかりましたが、木造の復元計画は存在しない状況です。

岩国城の歴史

江戸時代の築城

江戸時代、1630年に関ヶ原の戦いで敗北した毛利輝元は、広島城から萩城へと転封されました。この際、彼の一族である吉川広家も米子城から岩国に封じられ、彼はここに3万石を与えられました。広家がこの地に赴任したのは慶長5年（1600年）のことで、その後、岩国城の築城が始まりました。

築城工事は8年間にわたり、まず平時の居館として「土居」が、次いで戦時用の「横山城」が完成しました。土居は慶長7年（1602年）に完成し、横山城は慶長13年（1608年）に竣工しました。本丸に関しては、唐造りの天守が設置され、その壮麗さは当地の誇りとなりました。しかし、横山城は元和元年（1615年）に発布された一国一城令により、周囲の城とともに破却される運命を辿りました。これは当時、周防国において岩国城唯一の城であったことから、長府藩の毛利秀元が居城とする櫛崎城を破却したことが影響しています。

その後、土居は陣屋として機能し、さらには明治維新まで続きました。ただし、岩国領は長州藩から独立した支藩として認められず、明治4年（1871年）には廃藩置県によってその歴史が終わりを迎えました。

近現代における変遷

明治時代に入ると、1885年に居館の土居跡が吉香公園として整備され、堀端には錦雲閣という建物が復興されました。また、藩政時代の昌明館の長屋も現在に残っています。

1962年には、本丸のあった場所に復興天守が設置され、これにあたって東京工業大学の藤岡通夫教授による設計で鉄筋コンクリート構造の天守が建てられました。そのため、城の再建とともに歴史も感じられるような施設となっています。2006年には日本100名城の74番に選定され、観光名所としての魅力も教えてくれます。

2012年には、岩国城ロープウェイが整備され、山上と吉香公園のアクセスが向上しました。このように、岩国城は現在も多くの人々に親しまれ、その歴史を学ぶ場となっています。

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