鍋島茂昭

鍋島茂昭（なべしま しげあき）

鍋島茂昭は、江戸時代中期の武士であり、肥前国佐賀藩の藩士です。武雄鍋島家の6代目当主であり、佐賀藩の自治領である武雄の領主を務めました。文献では、鍋島十左衛門として知られています。

生涯

1705年（宝永2年）、23代武雄領主であった鍋島茂紀の子として誕生しました。1728年（享保13年）に、兄である24代武雄領主・鍋島茂正が亡くなったため、家督を相続し、武雄領主となりました。1734年（享保19年）には、馬を愛し、馬の飼育にも長けていたことから、御牧方頭人に任命されました。

1745年（延享2年）、佐賀藩6代藩主・鍋島宗教が、幕府に弟である直鄰（主膳）を養子にする願いを出そうとした際、茂昭は宗教と共に江戸に滞在していました。その時、諫早茂行、蓮池藩4代藩主・鍋島直恒、鹿島藩4代藩主・鍋島直郷ら一族と共に、宗教を翻意させようと尽力しました。この時の状況は、茂昭から諫早茂行や神代茂英に宛てた手紙に詳しく記されています。

1748年（寛延元年）、佐賀藩主の宗教に失望した蓮池直恒は、諫早茂行も同調し、宗教を隠居させようと計画しました。直恒は幕府老中首座の酒井忠恭（雅楽頭）に対し、宗教が病気のために登城できないと申し出ました。一方で、同年11月に参勤交代で江戸に到着した宗教には、老中の意向により登城を控えるように伝え、家督を宗教の弟である直鄰に継がせようとしました。

茂昭はこの動きを察知し、同年8月に江戸に上り、神代茂英らと共に宗教隠居の計画を阻止しようと活動しました。その結果、1749年（寛延2年）正月に宗教の隠居は取り止めとなり、同月中に酒井忠恭は老中を罷免され、前橋から姫路へ転封となりました。同年12月には、諫早茂行が物成4千石（知行1万石）を没収され、隠居を命じられました。また、直恒は逼塞を命じられ、茂昭に付き添われて佐賀へ帰国する直前の同年10月に江戸で急死しました。

1755年（宝暦5年）8月に死去し、同年10月に嫡子である茂明が跡を継ぎました。

茂昭は、藩主の動向を注視し、佐賀藩の政治に深く関わった人物として、歴史に名を残しています。

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