長い夜 (シカゴの曲)

曲「長い夜」（原題: 25 or 6 to 4）

ロバート・ラムがシカゴのために書いた「長い夜」は、彼らの2枚目のアルバム『シカゴ』（1970年）に収録されている名曲です。この曲はシングルとしてもリリースされ、瞬く間に人気を博しました。シングルは1970年6月に発売され、アメリカのビルボード Hot 100チャートで4位、イギリスのシングルチャートでは7位を記録するという成功を収めました。特に印象的なのは、その録音にギタリストのテリー・キャスが使用したワウペダルを使ったエレクトリックギターのサウンドです。この特徴的なサウンドは、後にシカゴのコンピレーション・アルバムにも数多く収録されることになりました。

ファンの間では、この曲の歌詞の解釈について活発な議論が繰り広げられています。曲のリリース当初、歌詞がドラッグに関連しているのではないかという意見が多く聞かれました。ただし、これは1960年代後半から1970年代前半にかけてリリースされた多くの楽曲にも当てはまる話であり、噂は次第に薄れていきました。ロバート・ラム自身はこの曲について、「ただ時間を語っているだけ」とし、曲作りに没頭していたときの様子を描いていると説明しています。彼の語る時間は午前4時の25～6分前、つまり午前3時35分（または3時34分）に過ぎません。この時、ラムは深夜に曲を書いていて、時計を見たところ、4時に近いことに気がついたというエピソードがあるのです。

しかし、曲には違法ドラッグや特定の有名人を指しているという憶測も根強く残っています。それに関しての言及は、いつの時代でも興味を引くもので、ファンたちの間で様々な解釈が生まれています。

さらに、この曲は時代を超えて受け継がれ、1986年に録音された「長い夜」はアルバム『シカゴ18』に収録され、ジェームス・パンコウが共同作曲者として名を連ねました。この86年版のシングルは、USチャートで48位に到達し、1988年には「ホワット・カインド・オブ・マン」のB面としても収録されています。

また、この曲は多くのアーティストによってカバーされるなど、その影響を色濃く残しています。中にはヴィンス・ニール、アース・ウィンド・アンド・ファイアー、ブルース・フォクストンなど、有名アーティストも名を連ねています。特に注目すべきは、2005年にジョナサン・クールトンが発表した「When I'm 25 or 64」という曲で、これは「25 or 6 to 4」とビートルズの「When I'm 64」を掛け合わせたものです。このように、曲「長い夜」はリリースから数十年経った今でも新たな解釈やリメイクが生まれ続け、その魅力は衰えることがありません。

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