長久寺 (行田市)

長久寺（ちょうきゅうじ）

長久寺は、埼玉県行田市にある真言宗智山派の寺院です。応珠山と号し、擁護院とも呼ばれています。本尊には大日如来が祀られています。

歴史

長久寺の創建時期は明確にはわかっていませんが、武蔵国忍城主であった成田顕泰が発起人となり、通伝という僧侶を開山として創建されたと伝えられています。創建以来、成田氏の祈願寺として、その庇護を受けていました。

1592年（文禄元年）には、忍城主となった松平忠吉が長久寺に帰依しました。1600年（慶長5年）に忠吉が尾張国清洲城へ移ると、当時の住職であった重敒を清洲に迎え、同名の寺院を新たに建立したとされています。このことから、長久寺は武将からの信頼も厚かったことが伺えます。

江戸時代に入ると、長久寺は徳川家康から寺領を与えられ、新義真言宗の学問所が設置されました。これにより、寺は学問の場としても発展し、多くの僧侶や学者が集まる場所となりました。この学問所の設置は、長久寺が地域における文化・教育の中心としての役割を担っていたことを示しています。

文化財

境内には、行田市指定天然記念物となっている公孫樹（イチョウ）があります。この公孫樹は、長久寺の歴史を見守り続けてきた象徴的な存在であり、訪れる人々にその壮大さと歴史を感じさせてくれます。

参考文献

「長野村 長久寺」『新編武蔵風土記稿』 巻ノ216埼玉郡ノ18、内務省地理局、1884年6月。
行田市ホームページ, “長久寺の公孫樹”, (2020年10月27日).

長久寺は、歴史の中で様々な変遷を経て、現在に至っています。創建から数百年が経過した今も、地域の人々に親しまれ、大切に守られています。行田市を訪れる際には、この歴史ある寺院に足を運んでみてはいかがでしょうか。静寂な空間の中で、歴史の重みを感じることができるでしょう。

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