長井泰重

長井 泰重の詳細

長井泰重（ながい やすしげ、生没年未詳）は、鎌倉時代中期に活躍した鎌倉幕府の御家人であり、長井氏一族の重要な歴史的な人物です。彼は大江広元の次男、長井時広の子として生まれました。青春期に北条氏の得宗家の当主であった北条泰時から偏諱を受け、名を泰重としました。

一族と家系の概要

長井氏は、嫡流である先代の兄・泰秀が関東地方に居住していたのに対し、泰重の系統は庶流であり、京都に定住しました。この京都の家系は、六波羅探題の下で評定衆としての重要な役割を担いました。泰重自身も評定衆に任じられ、重要な政治的な地位を得ることとなります。

政治活動と役職

建長4年（1252年）、泰重は周防国の守護に任命されました。同年の4月、彼は新将軍である宗尊親王の鎌倉への下向に随行しました。その後、周防国に加えて、備前国および父である時広から受け継いだ備後国の守護にも任官されました。因幡守にも任じられたことから、泰重は三つの国を守護する地位にありました。この備後国守護職は、彼の一族が世襲し、その後も継承されることになりました。

家系と後継者

長井泰重の子には頼重、茂重、覚雅がいました。特に頼重と茂重は、父と同様に六波羅評定衆として活躍しました。覚雅は左衛門督法印として知られており、彼は正応5年（1292年）に若宮八幡宮社第4代別当に就任し、さらに醍醐寺蓮蔵院の院主も務めました。

長井氏の系譜は、父・長井時広、母は北条時房の娘とされる■、妻は海東忠成の娘です。この系統は、歴史的にも非常に意義のあるものであり、長井泰重はその中心的存在でした。

死去とその後

長井泰重の活動や没年については詳細が不明な点が多いものの、文永元年（1264年）には存命が確認されています。彼の後、長井氏は鎌倉幕府において重要な役割を果たし続けることとなります。

参考文献

長井泰重に関する情報は、複数の研究や資料から得られています。特に小泉宜右による「御家人長井氏について」や、森幸夫の「六波羅探題の研究」などが、長井氏の活動や歴史的な意義について詳述されています。また、鎌倉・室町人名事典や国別守護・戦国大名事典も貴重な資料として利用されています。

もう一度検索