長尾奈奈

長尾奈奈（ながお なな）は、日本の俳優およびナレーターとして知られています。宮崎県に生まれ、千葉県浦安市で育ちました。俳優としてのキャリアは、仲代達矢氏が主宰する著名な養成所「無名塾」に、2000年4月に24期生として入所したことから始まります。現在は株式会社 仕事に所属し、その活動の幅を広げています。

長尾奈奈の俳優としての活動は、映画、舞台、テレビドラマと多岐にわたります。

映画

商業作品からインディペンデント作品まで、様々なジャンルの映画に出演しています。フランソワ・ジラール監督の『シルク』では芸者役を演じ、その独特の存在感を示しました。また、『パッチギ! LOVE&PEACE』、『60歳のラブレター』（若きちひろと設計事務所スタッフの一人二役）、『引き出しの中のラブレター』、『春との旅』、『座頭市 THE LAST』といった話題作にも参加。近年では、藤元明緒監督の『僕の帰る場所 (passage of life)』で入国管理局員を、佐藤大介監督の『狭霧の國 (Howl from beyond the Fog)』で主要人物の一人である渚を演じるなど、多様な役柄に挑戦。深川栄洋監督の『42-50 火光』では臨床心理士、石原ひなた監督の『FISH IN WATER』ではMother役、さらには大ヒット作『レジェンド&バタフライ』で狂女を演じるなど、その演技の幅広さを示しています。

舞台

俳優としての基礎を培った無名塾の公演には、2000年から2012年まで在籍中に数多く出演しました。『セールスマンの死』、『ウィンザーの陽気な女房たち』、『マクベス』、『友達』といった主要な公演に参加し、経験を積みました。また、無名塾以外の舞台にも意欲的に出演しており、芸能生活35周年記念公演として上演された松平健主演の『座頭市』ではおすみ役を務めました。流山児★事務所の作品や、Kittyfilm Presentsの舞台、さらにはドラマリーディングや朗読劇にも積極的に参加し、声と身体を使った表現を追求しています。

テレビ番組

テレビドラマでは、人気シリーズ『相棒』（テレビ朝日）に複数回出演し、異なる役柄で存在感を示しました。Season 3「人間爆弾」では銀行員、Season 7「ノアの方舟」ではマネージャー、Season 14「ファンタスマゴリ」では牧野希美役を演じています。その他、『すいか』（日本テレビ）、『土曜ワイド劇場 法律事務所 -自白の風景-』（テレビ朝日）、『ドラマW アルバイト探偵(アイ)』（WOWOW）、『DRAMA COMPLEX 59番目のプロポーズ』（日本テレビ）、『黒い太陽』（テレビ朝日）などの現代劇から、NHKの木曜時代劇『陽炎の辻〜居眠り磐音 江戸双紙〜』や土曜時代劇『隠密八百八町』といった時代劇にも出演。また、ドキュメンタリー番組『ハイビジョン特集「二重被爆　ヒロシマ　ナガサキを生き抜いた記録」』（NHK-BShi）など、幅広いジャンルの番組に登場しています。

ナレーター・オーディオブック

女優としての活動に加え、ナレーターとしても活躍しています。特に「声の書店」シリーズでは、日本の近代文学名作選として、太宰治、芥川龍之介、宮沢賢治、森鷗外、岸田國士、江戸川乱歩など、数多くの著名作家の作品朗読を手がけています。物語の世界観を声だけで表現するその技量は高く評価されています。

その他

CMやPVへの出演も多数あります。NTTコミュニケーションズ、東京メトロ、JCBカード、ANA、NTT西日本、アサヒ、全薬工業、キヤノン、住友生命、アテニアなど、全国的な企業のCMに出演。また、氣志團やGLAYといったアーティストのPVにも登場しています。

無名塾で培った確かな演技力と、声を使った表現力を活かし、長尾奈奈は映画、舞台、テレビ、そして朗読という多角的なフィールドで活躍を続けています。その多様なキャリアは、彼女が表現者としていかに探求心を持ち続けているかを示しています。今後のさらなる活躍が期待される俳優・ナレーターです。

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