長崎純景

長崎甚左衛門純景について

長崎甚左衛門純景（ながさき じんざえもん すみかげ）は、天文17年（1548年）に生まれたとされる戦国時代から安土桃山時代にかけての武将です。キリシタン大名であり、洗礼名はドン・ベルナルド。肥前国西彼杵郡長崎を拠点としていました。

生涯

純景の祖父である有馬康純が長崎氏の養子となったことで、長崎氏を名乗るようになりました。戦国時代には大村氏に従属し、反キリスト教の西郷純堯、深堀純賢兄弟による襲撃に悩まされていました。

岳父である大村純忠の勧めにより、長崎をイエズス会に寄進したことで、所領のほとんどを失いました。その後も大村氏に従属し、西郷・深堀氏の水軍による侵攻を幾度も撃退しましたが、豊臣政権の九州征伐によって長崎郊外の所領を接収され、長崎の一部に組み込まれることになりました。

わずかに残った所領も江戸幕府の差配によって大村氏に付け替えられたため、純景は独立勢力としての所領を完全に失いました。大村氏から700石の代地を提示されるも、これを蹴って大村氏の家臣団を離れ、各地を流転した後、筑後国主の田中吉政に仕えました。しかし、田中吉政の後継である忠政が死去し、田中家が断絶、改易となったことで、実弟が守る大村藩に戻り、100石で仕えることとなりました。元和7年（1622年）、時津でその生涯を閉じました。

長崎氏のその後

純景の死後、実弟である惣兵衛重方が養子先の戸町氏から戻り、長崎氏の名跡を継ぎました。また、純景の娘の一人は大村藩二代目普請奉行の井石主水之允頼次に嫁ぎました。

養子

長崎甚左衛門純景の養子であった大村純忠の弟.盛の子.松浦右近頼直は、純景が受取らなかった時津を初代藩主.大村喜前から受取り時津の一村一領主となりました。大村家と血縁関係が深かったこともあり、頼直の娘（純景の孫）は、二代藩主.大村純頼に嫁ぎ、その間に生まれた三代藩主.純信は子に恵まれなかったため、純信の妻方.伊丹氏より四代藩主.大村純⾧を迎えることとなりました。ところが、この時点で大村氏の血筋が途絶えてしまうため、またしても頼直の娘が純⾧に嫁ぎ大村氏の血筋が引き継がれることとなりました。

長崎県史跡

純景の没後80年、元禄15年（1702年）に子孫である大村藩家老の大村長直が、現在の時津町浜田郷小島田の地に純景夫妻の墓碑を建立しました。この墓碑は、1966年（昭和41年）4月18日に「長崎甚左衛門の墓」として長崎県史跡に指定されています。

関連事項

桜馬場中学校 - 純景の居宅など当時の所領の中心地。
鶴城 (肥前国)
諏訪神社
唐通事
トードス･オス･サントス会堂 - 現在の夫婦川町にあった長崎最初の教会施設。慶長19年（1614年）破却後、春徳寺が転入。
ルイス・デ・アルメイダ - 宣教のため派遣され、医業もおこなう。
長崎公園 - 長崎甚左衛門純景の像がある。
長崎県庁 - ポルトガル貿易の新開地跡に立つ。元は岬の端であった。
* 日本とポルトガルの関係

純景の生涯は、戦国時代から江戸時代への過渡期における地方武将の苦悩と、キリスト教がもたらした影響を示すものと言えるでしょう。

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