長栄寺 (恵那市)

長栄寺

長栄寺は、岐阜県恵那市長島町中野に位置する曹洞宗の寺院です。法昌山と号し、聖観世音菩薩を本尊としています。恵那三十三観音霊場の二番札所としても知られています。

歴史

長栄寺の歴史は、慶長5年（1600年）に可児郡中村の大智山愚渓寺の住職であった正峯祖全が、大崎の地に宝福庵を結んだことに始まります。この宝福庵が長栄寺の前身となります。

寛文元年（1661年）には、寺号を長栄寺と改め、恵那郡竹折村にある瑞現寺の末寺となりました。その後、天和元年（1681年）には、中尾山威徳院の跡地である現在地に移転しました。

寺院の整備も進められ、元禄3年（1690年）には庫裡が建立され、宝永8年（1711年）には客殿が建てられました。

文政12年（1829年）には、瑞現寺十世の霊一如童によって法地となりました。さらに嘉永2年（1849年）には、竜宮門の形式を取り入れた鐘楼門が建てられました。

嘉永6年（1853年）には、恵那郡東野村の宗久寺の伽藍が焼失するという出来事がありましたが、安政6年（1859年）には、長栄寺の金端俊猊が宗久寺の再建に尽力しました。

現在の庫裡は昭和11年（1936年）に再建されたもので、平成30年（2018年）には本堂の改築が行われています。

寺の背後にある山には、7世紀後半頃に築造された能万寺古墳群があり、岐阜県の史跡に指定されています。この古墳群は、長栄寺の歴史を語る上で重要な要素となっています。

関連寺院

長栄寺は以下の寺院と関連があります。

愚渓寺（御嵩町）
瑞現寺（恵那市）
宗久寺（恵那市）

参考文献

『恵那市史』　通史編　第2巻　第八章　江戸時代の社会生活と文化 第二節　社寺と文化　二　仏教と寺院　長栄寺　p1054～p1056　1989年
* 『恵那郡史』　第八篇　現代　第四十一章　人文の発展(一)　【各宗寺院】　p612～p619　恵那郡教育会　1926年

長栄寺は、長い歴史の中で幾度かの変遷を経て現在に至っています。地域の人々にとって心の拠り所であり、歴史的にも貴重な文化財を保有する寺院です。

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