長津王

長津王の生涯と官歴

長津王（ながつのおおきみ、またはながつおう）は、奈良時代に活躍した皇族で、その生涯は波乱に満ちていました。彼の経歴は、興味深い政治的背景と個人的な苦難を映し出しています。

家族と背景

長津王は中務卿の三原王の子として生まれました。彼の家系は、皇族の中でも特に名門として知られ、政治的な影響力が強かったと言われています。しかし、彼の人生はそれほど簡単ではありませんでした。

一時の臣籍降下

天平宝字8年（764年）、藤原仲麻呂の乱が発生し、長津王は他の舎人親王の孫たちとともに臣籍に降下させられ、「三長真人」の姓を与えられました。この降下は、彼が皇族の地位を失うことを意味し、さらに丹後国への流罪という厳しい運命が待っていました。晩年の彼はこの流罪の結果、遠い地での生活を余儀なくされました。彼の名誉は一時的に失われたものの、彼の運命はその後の時代に大きな影響を与えることになります。

復帰と再出発

光仁天皇の治世において、宝亀2年（771年）に操作され、長津王は罪を赦され、皇族としての地位を復帰します。この復帰は彼にとって新たなスタートを意味し、再び政治の舞台に立つことができました。

官位の上昇

復帰後、長津王は桓武朝に入ります。その中で延暦5年（786年）には無位から従五位下に直叙で昇進し、その後も次々と官位を上げていきます。特に延暦7年（788年）には兄・山口王の後任として鍛冶正に任命されるという重要な役職に就きました。延暦10年（791年）には図書頭にも転じ、彼の地位はますます確固たるものとなっていきました。

官歴の詳細

長津王の官歴は、以下のようなものです。

• - 天平宝字8年（764年）10月9日以降：臣籍降下（三長真人）、丹後国への流罪。
• - 宝亀2年（771年）7月11日：復属籍。
• - 延暦5年（786年）正月4日：従五位下（直叙）。
• - 延暦7年（788年）2月28日：鍛冶正。
• - 延暦10年（791年）3月21日：図書頭。

まとめ

長津王の人生は、政治的混乱を乗り越えた強さを象徴しています。彼は一度失った地位を取り戻し、再び政界での影響を発揮することができました。彼の経歴は、奈良時代の皇族が直面した困難やその中での復活の物語を物語っており、彼の名は歴史に刻まれることとなりました。彼の経験は、その後の皇族たちにも大きな教訓を与えたことでしょう。

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