長津田

神奈川県横浜市緑区の長津田

長津田（ながつた/ながつだ）は、神奈川県横浜市緑区に位置する町名です。この地域は、住居表示が実施されている「長津田一丁目から七丁目」と、住居表示未実施の「長津田町」で構成されています。また、「いぶき野」や「長津田みなみ台」の一部は、元々長津田町から分離した地域です。

地名の由来

長津田という地名は、大辞林によれば「谷津田（やつだ）」、つまり「谷にある湿田」に由来するとされています。この地は「長い湿田」があったことから名付けられたと考えられています。一般的に、岩川上流部の集落を「上長津田」、下流部を「下長津田」と呼ぶことがあります。

かつて存在した小字名

かつて長津田町内には、以下のような小字名が存在しました。

柳町（やなぎまち）
新林（しんばやし）
住撰（じゅうせん）
御前田（おまえだ）
薊沢（あざみざわ）
杉山原（すぎやまはら）
柳下（やなぎした/やぎした）
深田（ふかだ）
宮ノ前（みやのまえ）
玄海田（げんかいだ）
中村（なかむら）
馬之背（うまのせ）
長月（ちょうげつ）
草木（くさぎ）
道正（どうしょう）
滝沢（たきざわ）
西之原（にしのはら）

地理

長津田は、多摩丘陵の東端に位置し、鶴見川水系の恩田川中流域の右岸に広がっています。地形は、北側に恩田川の段丘崖があり、武蔵野層、鶴川層、上倉田層などに分類される洪積台地と、恩田川や岩川周辺の谷戸からなる沖積地で構成されています。沖積地では水田稲作が盛んに行われ（近年は糯米が主流）、洪積台地では山林や畑作が中心です。また、町域東南部には「馬之背」から十日市場町にかけて断層線が存在します。

近世から現代へ

近世には、矢倉沢往還と神奈川道が交わる長津田宿が発展しました。戦国時代から江戸時代にかけては、武将板部岡江雪斎の子孫がこの地を領有し、大林寺は江雪斎が開基したと伝えられています。明治時代以降は、横浜開港に伴い、絹糸の集散地である八王子と横浜港を結ぶ中継地として発展。副業としての養蚕も盛んになりました。その後、東京や横浜への商品野菜の栽培が増え、昭和40年代以降は鉄道や道路の開発が進み、宅地開発や住宅団地造成によって人口が急増しました。

地価

2024年1月1日の公示地価によると、長津田の住宅地の地価は、場所によって1平方メートルあたり21万4000円から35万2000円となっています。

歴史

編入と区の変遷

長津田は、かつて都筑郡田奈村大字長津田でしたが、1939年に横浜市に編入され、港北区長津田町となりました。その後、1969年の行政区再編成で緑区が新設され、緑区長津田町となりました。1973年以降、長津田町の一部はいぶき野などへ編入され、2005年には長津田みなみ台の一部が編入されました。

住居表示の実施

1982年には、住居表示の実施に伴い、長津田町の一部が長津田一丁目から七丁目となりました。

世帯数と人口

2024年4月30日現在、長津田の世帯数と人口は横浜市によって発表されています。

人口と世帯数の推移

国勢調査による人口と世帯数の推移については、別途データが提供されています。

学区

市立小中学校の学区については、2023年4月時点の情報が提供されています。

事業所

2021年経済センサス調査によると、長津田の事業所数と従業員数もデータとして存在します。

事業所数と従業員数の変遷

経済センサスによる事業所数と従業員数の推移についても、長津田と長津田町の合算値として情報があります。

交通

道路

長津田には以下の道路が通っています。

国道246号（矢倉沢往還・大山街道）
東名高速道路横浜町田IC
都市計画道路山下長津田線（神奈川道・旧大山街道/御幸通り）
神奈川県道139号真光寺長津田線（こどもの国通り）
神奈川県道・東京都道140号川崎町田線（成瀬街道・こどもの国通り・神奈川道）
環状4号線
国道16号（保土ヶ谷バイパス・大和バイパス）

鉄道

長津田駅には、以下の路線が乗り入れています。

JR東日本横浜線
東急電鉄田園都市線
東急電鉄こどもの国線（旧陸軍田奈弾薬庫線）

その他

東急電鉄長津田検車区
東急電鉄長津田車両工場

バス

長津田駅からは、横浜市営バス、神奈川中央交通東、神奈川中央交通中山の各路線が運行しています。

公共施設

長津田には以下の公共施設があります。

横浜市緑区役所長津田地区センター
横浜市緑区役所長津田地域ケアプラザ
横浜市緑区役所長津田駅行政サービスコーナー
横浜市緑区役所いぶき野小学校コミュニティ・スクール
横浜市緑消防署長津田消防出張所
横浜市つたのは学園
横浜市北部斎場
横浜市資源循環局適正処理部緑事務所

金融機関

長津田には、みずほ銀行、きらぼし銀行、横浜銀行、JA横浜などの金融機関があります。

大型店舗

長津田には、スーパービバホーム、アピタ、オーケー、マルエツなどの大型店舗があります。

学校

長津田には、横浜市立長津田小学校、長津田第二小学校、いぶき野小学校、田奈中学校、森村学園、東京科学大学すずかけ台キャンパス、昭和大学長津田キャンパスなどの学校があります。

病院

長津田には、指定介護療養型医療施設横浜田園都市病院があります。

住宅

長津田には、市営住宅、県営住宅、県公社住宅、東急電鉄による宅地造成地、都市再生機構による宅地造成地など、様々な住宅形態が存在します。

長津田十景

長津田には、歴史的財産と自然景観を活かした「長津田十景」が選定されています。

大林晩鐘（だいりんばんしょう）
御野立落雁（おのたちらくがん）
大石観桜（おおいしかんおう）
王子秋月（おうじしゅうげつ）
高尾暮雪（たかおぼせつ）
天王鶯林（てんのうおうりん）
下宿晴嵐（しもじゅくせいらん）
長坂夜雨（ながさかやう）
長月飛蛍（ちょうげつひけい）
住撰夕照（じゅうせんせきしょう）

現況

長津田駅は、東急田園都市線、JR横浜線、東急こどもの国線が乗り入れる主要ターミナルですが、駅周辺の再開発が課題となっています。近年、駅前商店街の道路整備が進められていますが、依然として課題も残っています。また、岩川上流の岡部谷戸地区では、素朴な農村風景が残っており、ホタルが観察できるスポットもあります。

その他

長津田の警察管轄区域や、出身人物についても情報が提供されています。

出身人物

井上貞蔵（日本大学教授、商学博士）

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