長生橋

長生橋（ちょうせいばし）

長生橋は、新潟県長岡市の信濃川に架かる国道351号（国道403号・国道404号重複）のトラス橋です。川東地域と川西地域を結び、長岡市のランドマークとして親しまれています。

概要

1937年（昭和12年）に竣工した現在の橋は3代目。橋長850.8m、幅員7.0mの13径間下路カンチレバー鋼ワーレントラス橋で、下流側には幅員2.5mの自転車歩行者道橋が併設されています。多連・上曲弦方式のトラス橋としては、日本国内で唯一現存する貴重な橋梁です。

橋梁の下流には大手大橋、上流にはフェニックス大橋が架かっています。

2013年（平成25年）には土木学会選奨土木遺産に認定。「長生橋東詰広場」は、平成3年度手づくり郷土賞（施設部門）を受賞しています。

長岡花火と長生橋

長岡まつりの大花火大会では、長生橋と大手大橋からナイアガラ花火が打ち上げられます。夜空を彩る花火と、ライトアップされた長生橋の美しいシルエットは、長岡の夏の風物詩として知られています。

冬季の課題

豪雪地帯である長岡では、長生橋のトラスに積雪による雪庇や氷柱が発生しやすく、通行車両への被害が問題となっています。そのため、冬季には「雪に注意」の看板を掲示し、夜間通行止めにして雪庇を落とす作業が行われています。

歴史

長生橋は、長岡の東西を結ぶ重要な役割を担ってきましたが、その道のりは決して平坦ではありませんでした。

江戸時代の信濃川

かつて信濃川は現在よりも川幅が広く、江戸時代には約840mもあったとされます。橋はなく、渡船が唯一の交通手段でした。1605年（慶長10年）に「草生津の渡し」が開業しましたが、洪水や荒天時には渡ることができず、難所として知られていました。

初代・長生橋の誕生

1874年（明治7年）、広江椿在門が新潟県に橋梁架設を願い出て、1876年（明治9年）に初代・長生橋が竣工しました。中州を挟んだ二つの木橋で、当初は「臥龍橋」と呼ばれていましたが、後に「長生橋」と名付けられました。これは信濃川に架けられた最初の橋梁でした。

しかし、初代の橋は洪水による流失を繰り返し、維持管理が困難になったため、県に移管されました。

2代目・木橋の建設

1914年（大正3年）の大洪水で初代の橋が流失した後、1915年（大正4年）に2代目の木橋が建設されました。全長約872mと、当時日本一の長さを誇りましたが、これもまた洪水による損傷に悩まされました。

3代目・現在の長生橋

自動車交通の増加に伴い、鋼鉄橋への架け替えを求める声が高まり、1937年（昭和12年）に現在の長生橋が竣工しました。総工費約78万円をかけ、当時の東北・北陸地方では最長の道路橋梁となりました。

1972年（昭和47年）には、自転車・歩行者の安全確保のため、下流側に自歩道橋が増設されています。

長生橋は、その美しい姿と歴史を今に伝える、長岡市のシンボルとして、これからも人々に愛され続けるでしょう。

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