大手大橋

大手大橋（新潟県長岡市）

大手大橋は、新潟県長岡市の信濃川に架かる国道351号の橋梁であり、その長さは878.3メートルに及びます。この記事では、大手大橋そのものだけでなく、橋の前後の都市計画道路の整備についても詳しく解説します。

概要

大手大橋は、長岡市信濃一丁目と草生津町を結び、6径間連続非合成狭小箱桁橋という構造を持っています。橋の幅は23.8メートルで、片側2車線、合計4車線の車道と、両端に自転車歩行者道が設けられています。長岡市の川東地域と川西地域を結ぶ重要な橋梁であり、下流には国道8号の長岡大橋、上流には国道351号の長生橋が架かっています。

特に、夏の長岡まつりにおける「大花火大会」では、車両通行止めとなり、歩行者天国として開放され、多くの人々が花火見物に訪れます。また、花火大会では隣接する長生橋と共に、橋の下部からナイアガラ花火が打ち上げられる spectacle が繰り広げられます。

大手大橋は、長岡駅大手口から伸びる大手通りと直結しており、表町交差点から大手大橋東詰交差点までの区間は「大手大橋通り」と呼ばれています。

歴史

計画から暫定2車線開通まで

長岡市は信濃川を挟んで市街地が発展しましたが、かつては長生橋しかなく、交通のボトルネックとなっていました。1970年に長岡バイパスが開通し長岡大橋が架けられたものの、交通量の増大は解消されませんでした。そこで、県と長岡市は、大手通りから信濃川左岸へ至る都市計画道路の建設を決定し、「第二長生橋」として計画が始まりました。

1974年には橋の名称が公募され、「大手大橋」に決定。1980年に建設が開始されました。建設にあたっては、用地取得のため家屋の移転や裁判所用地の変更が行われました。また、長岡ニュータウンへの上水道供給力強化のため、橋梁部に幹線上水道が併設されることになりました。

約70億円の費用と5年の歳月をかけ、1985年7月23日に上流側の橋梁を使用した暫定2車線で開通しました。左岸側の長岡バイパスへの接続は、1992年に完了しました。

4車線化と各種改良

開通後、交通量は増加の一途をたどり、特に川西側の郊外型商業施設の進出により、慢性的な渋滞が発生するようになりました。また、大手通りと大手大橋通りを結ぶ表町交差点はクランク状になっており、交通の円滑化を阻害していました。このクランクは、長岡城への敵の侵入を防ぐための城下町の「鈎の手」の名残でした。

県と長岡市は、1986年から表町 - 大手大橋 - 堺町間の全面4車線化を目指し、2002年12月までに橋梁部を除く箇所を4車線化しました。この際、表町交差点のクランクを解消し、大手通りと大手大橋通りを直線化しました。また、2004年には大手大橋西詰交差点を十字路化し、2007年には左折車線を増設するなど、改良が重ねられました。

大手大橋の4車線化は2003年から進められましたが、新潟県中越地震や新潟県中越沖地震により中断されました。2008年12月に下流側の新橋梁が竣工し、2009年1月6日から新橋梁による暫定2車線の供用を開始しました。既存橋梁の耐震補強では、橋脚と桁を連結する支承を免震式に交換し、震度7クラスの地震にも耐えられるように改善しました。2009年9月8日には、4車線での本供用を開始し、2010年春に全面竣工しました。

4車線化の効果

4車線化により、大手大橋周辺の渋滞は大幅に緩和されました。交通量調査では、2009年7月には23,355台まで増加していましたが、本供用開始後の調査では交通量が24,536台に増加したにもかかわらず、橋梁上の最大渋滞長は約60mにまで軽減されました。周辺交差点や長生橋・長岡大橋でも渋滞が緩和され、市内中心部の交通円滑化に大きく貢献しています。

長岡市は、4車線化の効果について「川東地域と川西地域の双方にメリットが大きい。川西の郊外店舗に集まる買い物客が川東の既存商店街に行きやすくなるなど相乗効果が期待できるし、市内中心部の再開発事業と併せて、市域の一体的な活性化が期待できる」と述べています。

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