長野東宝中劇

長野東宝中劇（ながのとうほうちゅうげき）は、かつて長野県長野市権堂町に存在した東宝系の映画館です。運営は関東共栄興行（後の東宝フーズ）が行っていました。

歴史

1927年（昭和2年）、長野市鶴賀に「菊田劇場」として開業したのが始まりです。当初は演劇などを中心に上演していましたが、戦後の1946年（昭和21年）に現在地へ移転しました。

1948年（昭和23年）12月16日には改築が行われ、洋画専門の映画館「長野市営中央映画劇場」としてリニューアルオープンしました。しかし、民営の映画館との協調関係を維持することが難しく、わずか1年で東宝の封切館に転身し、「長野東宝中劇」と改称しました。

1966年（昭和41年）に開館した長野東宝グランド劇場と共に、長野県内における東宝系の映画館として多くの人に親しまれました。この映画館があった通りは、後に「中劇通り」と呼ばれるようになりました。

2005年（平成17年）6月26日には、『戦国自衛隊1549』の監督である手塚昌明氏が東宝中劇を訪れ、舞台挨拶を行いました。

2006年（平成18年）6月24日、長野市初のシネマコンプレックス「長野グランドシネマズ」がオープンしたことや、建物の老朽化が重なり、経営的にも苦戦を強いられ、2007年（平成19年）4月15日に『ドラえもん のび太の新魔界大冒険 〜7人の魔法使い〜』の上映を最後に閉館しました。前身の菊田劇場時代から数えると、約80年もの歴史に幕を閉じたことになります。

閉館後、建物は解体されしばらく更地となっていましたが、2016年（平成28年）11月14日には、近隣にあった居酒屋「酒菜やまざき」本店が移転新築しました。

特徴

長野東宝中劇は、千代田劇場→日劇東宝→日劇2（後のTOHOシネマズ日劇スクリーン2）系列のロードショー館でした。「ゴジラ」や「若大将」などの実写シリーズ作品から、「ドラえもん」や「ポケモン」などのアニメ作品まで、数多くの邦画が上映されていました。新作は1ヶ月に1作程度の割合で上映され、閉館時の定員は216人でした。

関連事項

長野グランドシネマズ：長野市権堂町にあるシネマコンプレックス。旧名称は「長野東宝グランド劇場」。
松本東宝セントラル：長野県松本市にかつて存在した東宝系の映画館（2004年10月閉館）。

長野市内の映画館

営業中の映画館

長野グランドシネマズ（権堂町）
長野松竹相生座／長野ロキシー1・2（権堂町）
長野千石劇場（南石堂町）

2000年以降に閉館した映画館

長野東宝グランド劇場（権堂町） - 1966年〜2006年
長野東映（権堂町） - 1958年〜2006年
シネマポイント（権堂町） - 1998年〜2020年
ニュー商工（西鶴賀町） - 成人映画館、1927年〜2012年
ギャラリー・コム（川合新田）

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