長野松竹相生座

長野松竹相生座・長野ロキシー

長野松竹相生座・長野ロキシーは、長野県長野市権堂町にある映画館です。その歴史は古く、前身となる芝居小屋「千歳座」は1892年（明治25年）に開場しました。建物は度重なる増改築を経ていますが、明治時代の面影を今に残しています。当初は歌舞伎などが上演されていましたが、1897年（明治30年）には県内で初めて活動写真（映画）が上映されるなど、時代の変化とともにその役割を変えてきました。

1919年（大正8年）には、長野演芸館に買収され「相生座」と改称されました。この名前は、劇場が面する相生町通り（現在の権堂アーケード通り）に由来します。1972年（昭和47年）には松竹と賃貸契約を結び、翌年にはスクリーンを増やし「長野ロキシー」との2館体制となりました。これにより、松竹配給の洋画も上映されるようになり、映画ファンにとってさらに魅力的な場所となりました。

現在は、長野映画興行の直営館として、新作映画の上映はもちろんのこと、隔月で観客からのアンケートを基にした「名画特集」も開催されています。これは、過去の名作を再びスクリーンで鑑賞できる貴重な機会として、多くの映画ファンに支持されています。

特筆すべきは、その建物の歴史です。築120年以上という長い年月を経ているにもかかわらず、現役の映画館として活躍していることは驚くべきことです。建築年が明確にわかっている映画館としては、日本最古と言われている高田世界館（新潟県上越市）よりもさらに古い歴史を持っています。

沿革

1892年（明治25年）12月11日：芝居小屋「千歳座」が開場。
1897年（明治30年）7月8日：千歳座で県内初の活動写真が上映。
1917年（大正6年）12月25日：株式会社長野演芸館が設立。東之門町で映画館「長野演芸館」を運営（1948年閉館）。
1919年（大正8年）4月：長野演芸館が千歳座を買収、「相生座」と改称。
1947年（昭和22年）1月：運営会社が「長野演芸興行株式会社」に改称。
1953年（昭和28年）1月：運営会社が「長野映画興行株式会社」に改称。
1972年（昭和47年）10月：松竹株式会社と劇場賃貸契約を締結。
1973年（昭和48年）：館内を改修し、スクリーンを増設。「長野松竹相生座」と「長野ロキシー」の2館体制となる。
1984年（昭和59年）4月：ミニシアターを増設。「長野ロキシー」が「長野ロキシー1・2」となる。
2006年（平成18年）3月：松竹との配給契約を終了し、長野映画興行の直営館となる。
2017年（平成29年）：長野演芸館設立から100周年を迎える。
2017年8月：民教協番組『日本のチカラ』で「商店街のニューシネマパラダイス」として紹介。

スクリーン

3つのスクリーンがあり、総座席数は516席です。

アクセス

長野電鉄長野線「権堂駅」から徒歩3分。
土日祝日には長野電鉄の割引切符「ながでんシネマきっぷ」が利用可能です。
長野駅善光寺口からアルピコ交通（川中島バス）の10〜17系統またはぐるりん号に乗車し、「権堂入口」で下車後、徒歩3分。

長野松竹相生座・長野ロキシーは、その長い歴史の中で多くの人々に愛され、映画文化を支え続けてきました。これからも、地域の人々にとってかけがえのない映画館として、その灯を灯し続けることでしょう。

関連項目

長野市内の映画館
営業中
長野グランドシネマズ（権堂町）
長野千石劇場（南石堂町）
閉館（2000年以降）
長野東宝グランド劇場（権堂町） - 1966年〜2006年
長野東宝中劇（権堂町） - 1948年〜2007年
長野東映（権堂町） - 1958年〜2006年
シネマポイント（権堂町） - 1998年〜2020年
ニュー商工（西鶴賀町） - ※成人映画館、1927年〜2012年
ギャラリー・コム（川合新田）

参考文献

小林竜太郎「未来に伝えたい『日本一古い映画館』相生座の価値」（長野郷土史研究会『長野』297号 2014年10月発行）
『街並み』43号映画館（ナノグラフィカ、2014年6月発行）

外部リンク

長野松竹相生座・長野ロキシー
長野松竹相生座・長野ロキシー - 「港町キネマ通り」（2009年10月取材の記事）
長野松竹相生座・長野ロキシー (@aioiza_roxy) - X（旧Twitter）
長野松竹相生座・長野ロキシー (@naganoaioiza_roxy) - Instagram

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