長野県短期大学

長野県短期大学は、長野県長野市に位置していた公立の短期大学です。1950年に設立され、2020年に70年の歴史に幕を閉じました。

概要

設置主体は長野県であり、日本で最初に認可された短期大学149校の一つとして開学しました。開学当初は2学科120名体制でしたが、その後学科や専攻課程を新設し、最盛期には4学科体制を維持していました。前身は1929年に設立された長野県女子専門学校であり、女子短期大学として長い歴史を持ちましたが、2004年度からは男女共学となりました。2017年度の入学生を最後に、2020年に短期大学としての役割を終えました。

建学の精神

「長野県の知の礎となり、未来を切り拓くリーダーを輩出し、世界の持続的発展を可能にする研究成果を発信し、もって人類のより良い未来を創造し、発展させる大学」を理念として掲げていました。

教育研究

北信越地方における有数の公立短期大学として知られ、特に四年制大学への編入学実績が高いことが特徴でした。2006年には、財団法人短期大学基準協会による第三者評価で「適格」認定を受けています。

沿革

1929年 3月5日：長野県長野高等女学校内に長野県女子専門学校が設立。副島松一が校長に就任。
1931年：現在の所在地に移転。
1941年：家政科を新設。
1944年：家政科を保健科に改称。
1947年：国語科を新設し、保健科を生活科に改称。
1949年 10月：文部省に短期大学の設置認可を申請（文学科、家政学科）。
1950年 3月14日：文部省より短期大学の設置が認可。文学科は文科に、家政学科は入学定員60名で、専攻別の募集は行わないと変更。
1950年 4月1日：長野県短期大学が開学。
1961年 4月1日：家政科の入学定員を70名に増員し、食物専攻と被服専攻に分離。文科も定員変更。
1962年 4月1日：児童科を増設。
1965年 4月1日：附属幼稚園が開園。
1967年 4月1日：各学科の入学定員を変更。
1969年 4月1日：学科名を文学科、家政学科、幼児教育学科に変更。
1988年 4月1日：教養学科を増設。
1990年 4月1日：家政学科を生活科学科に名称変更。
2004年 4月1日：男女共学化。文学科と教養学科を統合し、多文化コミュニケーション学科に改組。生活科学科の専攻名も変更。
2006年 4月1日：専攻科に幼児教育学専攻を設置。
2007年 3月10日：教養学科が正式に廃止。長野市と連携協定を締結。
2008年 4月1日：幼児教育学科を3年制に移行し、専攻科を廃止。
2009年：地域連携センターが地域・国際連携センターとなる。
2011年：阿部県知事が4年制大学への移行を表明。
2012年：4年制大学移行を2017年4月に延期。
2013年：4年制大学の基本構想を決定。
2014年：大学入試センター試験参加短期大学となる。
2017年 3月31日：付属幼稚園閉園。
2017年 4月1日：最後の学生募集。
2018年 4月1日：長野県短期大学は「公立[[大学]]法人長野県立大学長野県短期大学」に組織変更。
2019年 3月31日：多文化コミュニケーション学科、生活科学科の閉専攻式を挙行。
2020年 3月31日：短期大学としての使命を終える。

基礎データ

所在地：長野県長野市三輪8-49-7
交通アクセス：長野電鉄長野線本郷駅下車
敷地面積：約3万1700平方メートル

教育および研究

組織

学科

多文化コミュニケーション学科（2年制）
国際地域文化専攻
英語英米文化専攻
日本語日本文化専攻
生活科学科（2年制）
健康栄養専攻
生活環境専攻
幼児教育学科（3年制）

専攻科

幼児教育専攻

取得資格

教職課程

中学校教諭二種免許状
国語：多文化コミュニケーション学科日本語日本文化専攻
英語：多文化コミュニケーション学科英語英米文化専攻
家庭：生活科学科生活環境専攻・健康栄養専攻
幼稚園教諭二種免許状：幼児教育学科
栄養教諭二種免許状：生活科学科健康栄養専攻
かつては高等学校教諭仮免許状の課程も併設

資格

栄養士：生活科学科健康栄養専攻
保育士：幼児教育学科
司書：多文化コミュニケーション学科
司書教諭：多文化コミュニケーション学科・生活科学科

附属機関

附属図書館：約93,000冊を所蔵

教育

現代的教育ニーズ取組支援プログラムに採択

研究

ラットにおける天然物由来カルシウム素材の利用効率
マンガに描かれる男女の顔形の特徴と身体像
幼稚園児を対象とした食育活動
「東アジア共同体」構想の検討
結婚(後半)(翻訳)
史記列伝から読み解く司馬遷の想い

学生生活

部活動・クラブ活動・サークル活動

運動系、文化系、音楽・ダンス系のサークル活動がありました。

学園祭

学園祭は「六鈴祭」という名称で、毎年10月下旬に開催されていました。ファッションショー、英語劇、ミュージカルなどが催されました。また、入学相談コーナーも設けられていました。

スポーツ

中部公立短期大学交歓競技会に参加していました。

大学関係者と組織

大学関係者組織

同窓会「六鈴会」があり、旧長野県女子専門学校の卒業生も含まれています。

大学関係者一覧

井上柳梧
成澤榮壽
上條宏之

出身有名人

中島史恵（タレント）

施設

キャンパス

東棟、西棟、北棟、音楽棟、管理棟、体育館などの施設に加え、「六鈴会館」がありました。

寮

「明和寮」という大学寮が構内に設置されていました。

対外関係

他大学との協定

信州[[大学]]、清泉女学院大学、清泉女学院短期大学、長野経済短期大学、長野女子短期大学、長野工業高等専門学校と単位互換制度がありました。アメリカにはミズーリ州立大学との交流がありました。

社会との関わり

市民カレッジ：1977年から「開放講座」、2004年から「市民カレッジ」として講座を開設。
出前講座：各学科・専攻主催の特別講義を実施。
県民カルチャー自主講座：公開講座を催していました。

付属学校

長野県短期大学付属幼稚園：1966年開園、2017年閉園。

4年制大学移行構想と混乱

20年以上にわたって4年制大学への移行運動が行われてきましたが、2011年に県が正式に4年制大学化を決定しました。しかし、基本構想の策定過程で既存の県内私立大学との間で教育内容の重複や競合をめぐる意見対立が生じ、計画は大幅に遅延しました。最終的に、県は既存の短大の学科構成を大幅に変更した新たな大学を設立することとなり、2018年に長野県立大学として開学しました。

構想段階での混乱

県は当初、短大の学科構成を継承せず、経営系学部を中心とした新しい大学を構想しましたが、既存の私立大学から反発を受けました。また、同窓会は短大の学科を継承するよう求めました。委員会は混乱し、計画は遅延しました。

反対運動が強まる

松本大学などが、新設大学との競合を懸念し、反対運動を展開しました。県は私大振興案を提示しましたが、事態は収束しませんでした。県は基本構想を決定しましたが、反対運動は収まらず、署名活動が行われました。

施設整備等の検討

県は、2か所にキャンパスを設ける計画を立て、施設整備を進めました。

県内私大側の対抗策

長野大学が公立[[大学]]法人化を求める動きに出たほか、諏訪東京理科大学も公立化の方針を示し、県内大学の再編が進みました。

更なる混迷へ

県議会でも計画への異論が相次ぎました。

理事長・学長の選任

県は、理事長に安藤国威氏、学長に金田一真澄氏を選任し、2018年4月の開学を目指す方針を示しました。

<4年制大学移行構想と混乱、私大側の屈服>をめぐる年表

この項目は情報量が膨大であるため、詳細を割愛いたします。

脚注

注釈

補足

出典

参考文献

外部リンク

長野県短期大学
長野短期大学（Wayback Machine）

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