長野県須坂高等学校

長野県須坂高等学校は、長野県須坂市に位置する県立の高等学校です。大正時代に前身となる旧制上高井中学校として創立されて以来、長い歴史を有し、地域における中等教育の中核を担ってきました。学制改革を経て、長野県須坂中学校、長野県須坂西高等学校と名称を改め、昭和40年（1965年）に現在の長野県須坂高等学校となりました。大正期から水泳が盛んで、当時からプールが整備されていたという特色も持っています。

課程は全日制課程のみで、普通科を設置しています。授業時間は1コマあたり50分で展開されており、高等学校における教養教育の実践を重要な理念の一つとして掲げています。部活動については、生徒の自主性を重んじつつ、毎週月曜日を全ての活動の休養日と定めています。

沿革

本校の沿革は以下の通りです。

- 大正12年（1923年）4月15日：長野県上高井中学校として設立される。
- 大正14年（1925年）4月1日：長野県須坂中学校に改称。
- 昭和23年（1948年）4月1日：学制改革に伴い、長野県須坂西高等学校となる。
- 昭和31年（1956年）4月1日：長野県須坂農業高等学校から分校が移管され、定時制小布施分校（普通科）として設置される。
- 昭和40年（1965年）4月1日：長野県須坂高等学校と改称。
- 昭和51年（1976年）3月31日：小布施分校が廃止される。
- 平成16年（2004年）3月31日：定時制課程の募集を停止。

教育目標

本校では、以下のような人間育成を目指し、教育活動を行っています。

民主的で自律的な精神を持ち、平和を希求する人間。
真理を探究し、社会や自然の事象に対して科学的な視点から正しく理解・判断できる人間。
心身ともに健康で豊かな感性を備え、活力にあふれ、社会をより良くするために努力を惜しまない人間。
現代社会における労働の意義を深く理解し、創造的な活動を通じて社会の発展に貢献できる人間。

学校生活と特色

年間を通して、様々な学校行事が行われています。入学式や卒業式といった式典のほか、体力向上を目的としたマラソン大会（男子10km、女子5km）、見聞を広める修学旅行、クラス対抗のクラスマッチ、美しい歌声を競う校歌コンクールなどがあります。特にクラスマッチは春と秋の年2回実施され、それぞれ2日間にわたって熱戦が繰り広げられます。

りんどう祭（文化祭）

本校最大の行事の一つである文化祭は「りんどう祭（龍胆祭）」と呼ばれています。この名称は、校章にあしらわれている「ミヤマリンドウ」と、学校近隣にある臥竜公園（須高城址）に由来します。例年4日間にわたって開催され、うち2日間は一般公開されます。

りんどう祭の最大の見どころは、生徒たちの手によって製作される巨大な龍です。この龍は半年以上かけて丹念に作り上げられますが、後夜祭で弓道部による火矢によって燃やされるという伝統があります。そのため、毎年生徒たちは新たな設計図から龍を制作する必要があり、その姿は年ごとに変化します。また、各クラスが趣向を凝らした寸劇や、日頃の練習の成果を発揮する合唱を披露するのもりんどう祭の特徴です。2006年には、NHKのドキュメンタリー番組でも紹介されたことがあります。

象徴

校章: 校章は、地元に自生するミヤマリンドウの花弁をモチーフに、「高」の文字を組み合わせてデザインされています。
校歌: 校歌は作詞を臼田紀六氏、作曲を荻原範次郎氏が手がけました。校歌のほかにも、応援歌や凱歌、逍遥歌など、多くの歌が歌い継がれています。
* 標語「熱、意気、ガリ」: 初代校長の岩崎長思先生が、生徒たちに「起てよ臥龍の健児」と語りかけた言葉から生まれたとされる精神的な標語です。この強い志は「臥龍魂（がりゅうこん）」とも呼ばれ、学校のシンボルである「臥龍」にちなんでいます。学校の近くには臥龍山があり、臥竜公園はその麓に位置しています。

アクセス

長野電鉄長野線須坂駅より徒歩約10分です。

著名な出身者

様々な分野で活躍する多くの卒業生を輩出しています。

芸術

- 水野信行（ホルン奏者）
- 小林美香（フルート奏者）
- ハラヒロシ（ウェブディレクター、ウェブデザイナー）
- 久石譲（作曲家）
- 山本哲也（作曲家）
- よしたに（漫画家）

学者・研究者

- 遠藤守信（物理学者・化学者）
- 竹前栄治（政治学者、東京経済大学名誉教授）
- 市川昭午（教育学者、国立大学財務・経営センター名誉教授）
- 西原康行（教育学者、新潟医療福祉大学教授）
- 渡辺澄夫（数理情報学者、東京工業大学教授）

政治・経済

- 山本重信（通商産業事務次官、元トヨタ自動車副会長）
- 上原弘久（T&Dホールディングス代表取締役社長）
- 市川秀夫（昭和電工代表取締役会長）

芸能

- 中島史恵（アイドル）
- 岡本由季（アナウンサー）
- 柴本愛沙（気象予報士）
- 春風亭昇乃進（落語家）

その他

- 畔上文昭（編集者、コラムニスト）
- 戸井田カツヤ（総合格闘家）
- 鈴木悠太（プロサッカー選手）

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