長鯨 (潜水母艦)

長鯨（ちょうげい）

長鯨（ちょうげい）は、大日本帝国海軍に属する潜水母艦であり、迅鯨型潜水母艦の二番艦となります。その艦名は、鯨を意味する言葉から由来し、徳川幕府が使用した船名「長鯨丸」に因んでいます。

概要

長鯨は、日本海軍が三菱長崎造船所で建造した潜水母艦で、1924年8月に水雷母艦として竣工しましたが、同年12月には潜水母艦に類別変更されました。長鯨とその姉妹艦の迅鯨は、日本海軍が初めて本格的に運用した潜水母艦として知られています。しかし、昭和時代には大型の潜水艦の進化に伴い、その役目が変わりました。

1939年以降、長鯨は新型潜水母艦である大鯨や剣埼にその役割を譲り、練習艦としての運用が主となりましたが、その後も潜水戦隊旗艦に復帰し、訓練や作戦活動の中心を担いました。太平洋戦争開戦時には第六潜水戦隊の旗艦であり、その後も活躍を続けました。

訓練艦としての活動

1942年4月10日に第六潜水戦隊が解隊されると、長鯨は呉鎮守府部隊に編入され、海軍潜水学校の練習艦として訓練に従事しました。その後は第八艦隊と第七潜水戦隊に編入され、ラバウルに進出し、潜水艦作戦の支援を行いました。

1943年には、第七潜水戦隊の旗艦となり、さらにラバウルでの作戦を支援しました。11月には内海西部に帰投し、以降は練習艦としての任務を続けました。

兵装の変遷と運用

長鯨は、1927年からは水上偵察機を搭載し、1940年頃には対空兵器の増強を行いました。艦橋前方に機銃を装備し、各種対空戦闘でも活躍しました。しかし、太平洋戦争が進むにつれて、長鯨やその姉妹艦は次第に旧式化し、新型艦艇との競争が激化しました。

太平洋戦争の終息とその後

1944年からは沖縄方面への輸送任務に従事し、戦後は復員輸送を行いました。最後は解体される運命を辿りましたが、京都府与謝郡伊根町には当時の住職の手による「英霊之碑」が残され、長鯨の歴史を語り継いでいます。

結論

長鯨はその活躍を通じて日本海軍の潜水母艦として重要な役割を果たし、艦隊訓練や作戦のための鍵となる存在でありました。その艦歴は、日本の海軍史において重要な一ページを占めています。

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