開かれた民主党

開かれた民主党：韓国政治史における短い軌跡

2020年3月8日に結党された開かれた民主党は、韓国の政党史において特異な存在でした。文在寅政権与党である共に民主党からの離党者を中心に結成され、比例代表に特化した政党として注目を集めました。

結党の背景と理念

結党の主導者の一人である鄭鳳柱氏は、記者会見で比例代表制への特化を表明。盧武鉉、金大中、文在寅の歴代大統領の理念を継承しながら、地域を重視する小選挙区には候補者を擁立しないという独自の戦略を打ち出しました。これは、当時の中道・保守化傾向を批判し、共に民主党とは一線を画す姿勢を示すものでした。同時に、保守系の未来統合党を強く批判し、その台頭を阻止する必要性を訴えました。

開かれた民主党は、国民参加型の候補者選出方法を採用するなど、従来の政党とは異なる運営方法も特徴でした。不動産疑惑で共に民主党を離党した孫惠園議員の入党は、国会での議席獲得につながる大きな転機となりました。

曺國前法務部長官への支持と批判

開かれた民主党は、曺國前法務部長官に対する疑惑追及を展開した検察やマスコミを強く批判する声明を発表しました。この姿勢は、与党である共に民主党や一部の革新系メディアから批判を浴びることとなります。「曺國・文在寅守護」というレッテルを貼られ、「私益追求」や「選挙の戯画化」といった厳しい批判にさらされました。 これらの批判は、特定の支持層に依存した政治活動への懸念を示すものでした。

第21代総選挙と国会での活動

2020年4月に行われた第21代総選挙では、国民の党と同じく3議席を獲得し、国会第6党となりました。国会においては、少数ながらも存在感を示そうと活動しましたが、その活動期間は比較的短期間でした。

共に民主党との合流と消滅

2021年12月、開かれた民主党は共に民主党との合流を発表。党員投票を経て、72.54％の賛成を得て合流が決定しました。2022年1月18日、共に民主党への合流が完了し、開かれた民主党は歴史の幕を閉じました。

まとめ：短命に終わった挑戦

開かれた民主党は、独自の路線と強い主張で注目を集めましたが、わずか2年弱の歴史に幕を閉じました。曺國前法務部長官への支持、比例代表制への特化、そして共に民主党との合流という、一連の出来事は韓国の政党政治における興味深い事例として研究されることになるでしょう。その短命な存在は、韓国政治のダイナミズムと、政党の合従連衡の激しさを象徴する出来事と言えるでしょう。 また、特定の人物や派閥への依存が政党運営に及ぼす影響についても示唆に富むケーススタディと言えるかもしれません。

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