閑院宮美仁親王

閑院宮美仁親王について

閑院宮美仁親王（かんいんのみや はるひとしんのう）は、江戸時代後期の皇族で、世襲親王家である閑院宮の第3代当主です。宝暦7年11月25日（1758年1月4日）に生まれ、文政元年10月6日（1818年11月4日）に亡くなりました。幼名は致宮（おきのみや）と称しました。

生涯

美仁親王は、桃園天皇の猶子となり、宝暦13年（1763年）に親王宣下を受けました。明和5年（1768年）には元服し、成人を迎えています。安永8年（1779年）には、後桃園天皇が崩御した際、異母弟の師仁親王、伏見宮家の貞敬親王とともに皇位継承の候補者となりました。しかし、後桃園天皇の皇女である欣子内親王との婚姻を前提とした選考が行われた結果、美仁親王は既に近衛因子と婚姻していたため、早い段階で候補から外れることとなりました。この選考では、師仁親王と貞敬親王がともに未婚であったことが、選考に大きく影響しました。

文化12年（1815年）には一品に昇進し、その地位をさらに高めています。また、美仁親王は歌道にも深く通じており、歌人の日野資矩などとも交流がありました。その歌才は高く評価され、歌集として『美仁親王御詠草』が残されています。

系譜

美仁親王の父は典仁親王（東山天皇の皇孫）であり、母は大中臣祐智の娘です。御息所（正室）は、関白近衛内前の娘である近衛因子（文君）です。美仁親王は、近衛因子との間に、後の閑院宮第4代当主となる孝仁親王を儲けています。また、第119代光格天皇は異母弟にあたり、第117代後桜町天皇と第116代桃園天皇は再従姉兄、第118代後桃園天皇は再従甥という親族関係にあります。

妃:

近衛因子（文君）

子女:

第一王女：裕宮 貞子女王（田安家徳川斉匡室）（1782年 - 1825年）
第二王女：鎮宮（1791年 - 1794年）
第一王子：孝仁親王（1792年 - 1824年）（第四代閑院宮）
第三王女：苞宮（1791年 - 1792年）
第四王女：敬宮（1793年）
第二王子：厚宮のち喜久宮（1797年 - 1801年）
第三王子：富宮（1798年 - 1802年）
第五王女：嘉宮 宣子女王（有栖川宮韶仁親王妃）（1800年 - 1866年）

女房:

随願院
さた
むめ
* 信楽院


美仁親王は、皇族としてだけでなく、文化人としてもその名を残しました。その歌才は後世にも伝えられ、江戸時代の皇室文化を語る上で欠かせない人物の一人です。

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