閻宇

閻宇の生涯

閻宇（えんう）は、中国三国時代の蜀漢における著名な武将で、字は文平としても知られています。生没年は不詳ですが、彼は南郡の人物で、庲降都督として蜀の南部を統治しました。彼がこの職に就いてからは、長きにわたりその業績を残し、職務に対する献身的な姿勢が評価されています。しかし、彼の功績は前任者である馬忠のものには及ばないと言われています。

閻宇は後に右大将軍に昇進しました。延熙20年（257年）には、呉の朱績が魏に対抗するための支援を求めてきました。これに応じて閻宇は巴東に派遣され、そこで5,000の兵を指揮して白帝城を守る任務を与えられました。彼は太守の羅憲を副将として、城の防衛に当たりました。

しかし、閻宇はその一方で、黄皓と連携し、自身と北伐を進める姜維の交代を狙っていました。また、黄皓だけでなく、诸葛瞻や董厥といった他の者も、姜維の北伐が繰り返され、国の負担が大きいことから彼を益州刺史に召還し、軍事権を奪うよう劉禅に上奏することを提案していました。蜀の長老によると、実際に諸葛瞻が姜維と閻宇の交代を求める上奏を行ったとも伝えられています。

景耀6年（263年）には、魏の軍勢が侵攻してくると閻宇は召還され、彼は羅憲に2,000の部隊を託けて西へと引き返しました。その後の彼の行動や命運については、詳細は不明となっています。

小説『三国志演義』における閻宇

小説『三国志演義』において、閻宇は功績も無いくせに黄皓に取り入って右将軍の地位を得ていると描かれています。彼は姜維に取って代わろうと画策し、姜維を召還させるよう黄皓にそそのかす場面もありますが、魏の強敵である鄧艾の存在を知ると、計画はそのまま頓挫してしまいます。

このように、閻宇の生涯は蜀漢の武将としての政治的な駆け引きや、他者との関係を通じて描かれることが多く、歴史の中での彼の役割は単なる軍の指揮官にとどまらない複雑さを持っていることが示されています。彼の功績と陰謀の一端を知ることができるのが、『三国志演義』という文学作品の特徴でもあります。彼の姿勢や行動は、三国時代の争乱における人間性と戦略の深淵さを反映しており、今でも多くの人に興味を持って語られているのです。

参考文献

• - 『三国志』蜀書5付・諸葛瞻伝、付・董厥伝
• - 同蜀書11付・霍弋伝
• - 同蜀書13馬忠伝
• - 同蜀書14姜維伝
• - 同呉書11付・朱績伝
• - 『三国演義』

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