阪急北野線

北野線について

北野線（きたのせん）は、大阪府大阪市北区の梅田駅から淀川手前の北野駅を結ぶ京阪神急行電鉄が運営していた路面電車です。この路線は北野支線または（大阪）市内線とも呼ばれ、全長はわずか0.8kmでした。日本最短とされる桑名電軌よりも短く、そのためにあまり広く知られてはいませんでしたが、地元住民には親しまれていました。

この路線が開業したのは1910年3月10日で、もともとは箕面有馬電気軌道により、梅田 - 北野 - 宝塚間がつながっていました。しかし、1926年に宝塚本線と神戸本線が複々線化及び高架化され、地上に残された線路部分が北野線として営業を開始しました。

運行期間中、北野線の利用者はそれなりに多く、梅田と北野の間を5分で結び、運行間隔も朝5時30分から夜23時45分頃まで、4分から15分ごとの間隔で運行されていました。北野駅は1933年に廃止されたため、北野線の運行は梅田 - 茶屋町 - 北野の3つの停留所から成り立っていました。

車両について

北野線の車両は、最初に大阪市電から譲り受けた151形4両と47形の改番車両150の5両で構成されていました。その後、1933年からは箕面線で使用されていた34形が使われるようになりました。この34形は、当時の路面電車としては珍しい菱形パンタグラフを採用した集電装置や、前照灯を前頭部に設置するなど、特徴的なデザインを持っていました。

停止・廃止後の状況

北野線は1949年1月1日より運転を休止しました。この休止後も、線路はそのまま残されていましたが、1959年に京都本線が梅田乗り入れを開始する際、北野線の用地を活用して宝塚本線の複々線化が行われたため、名目上は北野線は終了しました。尽く北野線が廃線であったものの、事実上は休止扱いとして整理されました。

路線データ

• - 路線距離：0.8 km
• - 軌間：1,435 mm
• - 駅数：3
• - 複線区間：全線複線
• - 電化区間：全線直流600 V電化
• - 所要時間：梅田 - 北野間、5分
• - 運行間隔：5時30分から23時45分頃まで、4 - 15分間隔

接続路線

北野線が運行されていた梅田駅では、阪急宝塚本線や神戸本線、阪神本線、大阪市営地下鉄1号線といった多くの路線が接続していました。また、北野駅からは阪神北大阪線に接続されていましたが、1975年に同線は廃止されました。

このように、北野線は一時的に運行を持っていましたが、地域交通においては大きな役割を果たしていたことが伺えます。運行は終了しましたが、その歴史は地域の交通の発展において欠かせないものであったことを示しています。

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