阿倍鳥

阿倍鳥の経歴と系譜

阿倍鳥（あべ の とり）は、飛鳥時代に活躍した豪族であり、阿倍内臣という氏姓を持っていました。彼の名は一部の文献では鳥子とも記載されています。阿倍鳥は、著名な人物として文献に名を連ねており、その活動は当時の日本の政治と対外交渉において重要な役割を果たしていました。

経歴の詳細

阿倍鳥の具体的な生年は不明ですが、推古天皇16年（608年）に隋使である裴世清が日本に訪れた際の出来事が記録されています。このとき、彼は物部依網らと共に裴世清の案内役を務めました。裴世清から受け取った隋の国書は、大伴咋を介して伝達されることとなります。これは、彼が外交活動において重要な立場を持っていたことを示しています。

さらに、推古天皇18年（610年）には、新羅と任那からの使者が来朝しました。この際、阿倍鳥は大伴咋、蘇我豊浦蝦夷、坂本糠手らと共に四大夫の一人としてその使者に対応しています。これもまた、彼の政治的役割の重要性を伺わせるエピソードです。

また、推古天皇20年（612年）においては、皇太夫人・蘇我堅塩媛の改葬に際し、阿倍鳥は檜隈大陵にて誄を上奏しました。この際、彼は天皇の言葉を宣べる役割を担ったのですが、残念ながら彼の報告は思うように評価されなかったようです。時の人々の中では、阿倍鳥の言葉が他の大臣たちに比べて劣っていると評されました。そのため、彼の政治的発言や評価には課題があったことが示唆されます。

系譜について

阿倍鳥の系譜についても、いくつかの文献に記載があります。彼は阿倍大麻呂または阿倍目の子とされ、その母については記録がありません。彼の息子には阿倍内麻呂（?-649）や布勢耳麻呂がいることが知られています。子供たちもまた、その家系の名に恥じない活躍をした可能性があります。

このように、阿倍鳥は飛鳥時代を代表する豪族の一人として、外交や政治の舞台で活躍した人物であり、その活動は記録に残る形で私たちの前に存在しています。

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