大伴咋

大伴 咋（おおとも の くい）

大伴咋は、飛鳥時代において活躍した豪族であり、名は噛、囓、もしくは咋子とも記載されます。彼は中臣鎌足の母方の祖父であり、その血脈が後の政治や軍事に大きな影響を与えました。父は大伴金村または大伴阿被布古とされ、彼自身も豪族としての名声を確立していきます。彼の冠位は大徳に達しています。

経歴

咋の政治的かつ軍事的な活動は、用明天皇2年（587年）における丁未の乱から始まります。この戦いでは、彼は阿倍人、平群神手、坂本糠手らと共に物部守屋を討伐するための軍に参加しました。この初期の軍事経験が、彼のその後の活動に影響を与えたと言えるでしょう。

また、崇峻天皇4年（591年）には、紀男麻呂や巨勢比良夫、葛城烏那羅などの武将たちと共に、任那再建を目指す遠征軍の大将軍に任命されます。この遠征には2万人以上の軍勢が動員され、筑紫まで足を運ぶことになるのですが、残念ながら崇峻天皇が翌年に暗殺されることにより、遠征は中止されました。

その後、推古天皇9年（601年）には新羅に侵略された任那を救うため、高句麗に派遣されています。彼は6月に百済を経由して帰国するなど、軍事や外交分野でも重要な役割を果たしました。

推古天皇16年（608年）、彼は小野妹子に従い、隋の使者裴世清が日本に来た際の国書の上奏を担当しました。さらに、同年の推古天皇18年には新羅と任那の使者が来朝した時、蘇我豊浦蝦夷、坂本糠手、阿倍鳥と共に四大夫の一人として対応を行っています。

系譜

大伴咋の家族については、父が大伴金村または大伴阿被布古であることが知られていますが、その母親に関する情報は不明です。子女の中には男子の大伴長徳（-651）、大伴馬来田（-683）、大伴吹負（-683）がいます。また、女子には中臣御食子室である大伴智仙娘がいます。そして、彼にはさらに大伴真広という男子も存在しました。

まとめ

大伴咋は、飛鳥時代において軍事活動や外交において中心的な意味を持った人物であり、彼の系譜は日本の歴史において重要な役割を果たしました。そして、その名は後世においても語り継がれることとなるでしょう。

参考文献

• - 宇治谷孟『日本書紀 （下）』講談社〈講談社学術文庫〉、1988年
• - 宝賀寿男『古代氏族系譜集成』古代氏族研究会、1986年

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