阿史那伏念

阿史那伏念（あしな ぶくねん）

阿史那伏念（生年不詳 - 681年）は、7世紀後半の東突厥の可汗であり、頡利可汗（けつりかがん）の従兄の子にあたります。唐朝の羈縻（きび）政策下において、突厥の再興を目指し反乱を起こしましたが、最終的には唐によって鎮圧されました。

生涯

680年（永隆元年）、阿史徳温傅（あしとくおんぷ）は、阿史那伏念を夏州に迎え、可汗として擁立しました。これに対し、各地の突厥の諸部族が再び彼に従い、唐に対する反乱が勃発しました。

681年（永隆2年）1月、反乱軍は原州と慶州を襲撃し、略奪を行いました。5月には、定襄道総管（ていじょうどうそうかん）であった曹懐舜（そうかいしゅん）が横水（おうすい）で阿史那伏念率いる軍と戦いましたが、大敗を喫しました。事態を重く見た高宗（こうそう）は、同年閏7月、裴行倹（はいこうけん）を将軍に任命し、曹継叔（そうけいしゅく）、程務挺（ていむてい）、李崇直（りすうちょう）、李文暕（りぶんかん）らを率いさせて反乱の鎮圧に向かわせました。

裴行倹率いる唐軍の前に、阿史那伏念と阿史徳温傅は追い詰められ、ついに裴行倹に降伏しました。裴行倹は彼らを捕え、京師（長安）へ凱旋しました。同年10月、永隆2年は開耀元年と改元され、阿史那伏念と阿史徳温傅を含む54人は、長安の東市において公開処刑されました。

阿史那伏念の反乱は短期間で終結しましたが、唐朝の羈縻政策に対する突厥の不満を示すものであり、その後の突厥の動向に影響を与えることとなりました。

参考文献

『旧唐書』（本紀第五、列伝第一百四十四上）
『新唐書』（本紀第三、列伝一百四十上）

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