阿拉山口

アラ山口（アラさんこう）

アラ山口、またはアラタウ峠は、中国新疆ウイグル自治区ボルタラ・モンゴル自治州に位置する国境の町であり、中華人民共和国とカザフスタン共和国の国境をなす重要な地点です。この峠は、ジュンガル・アラタウ山脈を抜ける鞍部に位置しており、「ジュンガル門」とも呼ばれる歴史的な要衝です。東西交易が盛んだったシルクロードの重要な通過点であり、現代においても、鉄道やパイプラインなどの重要なインフラが集中しています。

地理

アラ山口は、ジュンガル・アラタウ山脈の鞍部に位置しており、この山脈は満州から中央アジアへと続くアルタイ山脈と天山山脈を繋ぐ唯一の鞍部となっています。この地理的な特性から、古くから地政学的に重要な場所とされてきました。この地は、歴史的にも東西の文化や交易が交わる場所であり、現在においてもその重要性は変わっていません。

交通

アラ山口には、中国国鉄北疆線の終点であるアラ山口駅があり、カザフスタン鉄道、トルキスタン・シベリア鉄道に接続しています。1954年にソ連と中国の間で鉄道敷設の合意がなされましたが、中ソ対立の影響で、実際に鉄道が接続されたのは1990年9月でした。自動車道路の国境が開かれたのは、ソ連崩壊後の1995年12月です。

中国とカザフスタンの間では鉄道の軌間が異なり、中国側は標準軌（1,435mm）を使用していますが、カザフスタン側は広軌（1,520mm）を使用しています。この違いを克服するため、ヨーロッパと中国を結ぶ大陸横断[[鉄道]]の計画が提案され、2004年に合意されました。また、2010年にはボルタラ阿拉山口空港が開港し、ウルムチへの定期便が就航しています。

石油パイプライン

中国とカザフスタン間の石油パイプライン建設の合意に基づき、2003年3月にカザフスタンのアタスから建設が開始されたパイプラインは、2005年11月にアラ山口で接続されました。このパイプラインは2006年から正式に稼働を開始し、両国間のエネルギー供給において重要な役割を果たしています。

その他

アラ山口は、中国の陸運交易において、内モンゴル自治区の満州里市に次ぐ規模を誇ります。この地域は、シルクロードの歴史的な背景を持ち、また現代においては、中国と中央アジアを結ぶ重要な交通・エネルギーのハブとなっています。このため、アラ山口の発展は、中国の西域における経済発展と、中央アジア諸国との関係深化において、非常に重要な意味を持っています。

関連項目

アラ山口駅
トルキスタン・シベリア鉄道
新ユーラシア・ランドブリッジ
トルキスタン
* トランス＝ユーラシア・ロジスティクス

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