阿曽温泉

阿曽温泉の魅力

阿曽温泉（あそおんせん）は三重県度会郡大紀町の阿曽に位置しており、特徴的な点として、かつて使用されていた小学校の校舎を再利用した温泉施設であることが挙げられます。阿曽温泉はその周辺に「阿曽湯の里」として整備されています。

温泉の泉質と効能

温泉分析書によると、阿曽温泉の泉質は「含二酸化炭素-ナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩温泉」とされ、これは低張性中性低温泉に分類されます。温泉水は酸化すると赤茶けた色合いになりますが、その湯はまろやかであると評判です。利用者の肌が滑らかになるとの声も多く、冷え症、慢性皮膚炎、神経痛などに対する効能が認められています。

源泉とその特徴

阿曽温泉の源泉は施設が存在する「阿曽湯の里」ではなく、宮川支流の大内山川に沿った複数の地点から取水されています。このため、しばしば「阿曽温泉群」とも呼ばれています。また、源泉の温泉水が影響を与え、大規模な石灰華（トラバーチン）が生成されており、これは大紀町にある天然記念物としても指定されています。

歴史的背景

阿曽温泉の起源は江戸時代にまでさかのぼるとされ、その後温泉宿が開業しましたが、数十年後には廃業してしまいました。過去には、阿曽温泉ホテルという宿泊施設が存在し、名物として炭火で焼かれた「山賊焼」を提供していたこともありました。しかし、温泉水の酸化が進み赤茶色になりやすい特性から、温泉宿の存続は難しかったと言われています。

2003年に阿曽小学校が廃校となった後、地域住民の提案により校舎を利用した温泉施設が整備され、2005年に「阿曽温泉」として新たに開業しました。この施設は地域の女性が運営する食堂も備えており、開業当初は紀勢自動車道が未開通だったため、通行客にとっては手軽に立ち寄れる休憩地となりました。

その後、地域の資源を活かしたさまざまな体験事業も始まり、地元住民や旅行者の交流の場として機能するようになりました。しかし、2008年からは新型コロナウイルスの影響にも見舞われ、営業に影響が出ました。

阿曽湯の里の施設

阿曽湯の里は、阿曽温泉を中心にした地域の交流施設として位置づけられています。この区域には「あすなろ食堂」や直売所、エコミュージアムセンターなどが整備され、観光客や地元住民がふれあう空間が用意されています。特に「あすなろ食堂」では、地元の新鮮な食材を使用した料理が楽しめます。また、釣りや登山などのアクティビティとも絡めて訪れる方が多く、地域の魅力を再発見することができるでしょう。

施設詳細とアクセス

阿曽温泉は、2003年に廃校となった阿曽小学校の古い校舎を利用しています。校舎は築50年を超えていますが、昔ながらの雰囲気が残されており、入浴施設や食堂の周りにはかつての教室や廊下がそのまま残されています。入浴施設は男女それぞれ1つずつ、各15人ほど収容可能です。

アクセスは、紀勢本線の阿曽駅から徒歩15分、または紀勢自動車道の大宮大台ICから車で10〜15分と便利です。30台分の駐車場も用意されています。

温泉を楽しみながら、地域の自然や文化、食に触れることのできる阿曽温泉は、ぜひ訪れたいスポットの一つです。

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