阿部正右

阿部 正右の生涯と業績

阿部正右（あべ まさすけ）は、江戸時代中期に活躍した日本の大名であり、備後国福山藩の第3代藩主です。彼は1738年に江戸藩邸で生まれ、幼少期から将来を期待されていました。彼は従四位下・侍従の官位を持ち、老中として幕政に深く関与しました。彼は阿部家の第7代目当主でもあり、その治世は多くの課題に直面しました。

正右は、藩主になる前に徳川吉宗に会い、若くして官位を得るなど、キャリアを順調に進めていました。1748年、彼は父である正福から家督を継ぎ、藩主としての道を歩むことになります。しかし、彼が藩主に就任した後、藩政への直接的な関与は少なく、主に江戸や京都で政治活動を行っていました。

1691年には福山に入部し、領内を視察した後、彼の公務は他の場所で続けられました。彼は宝暦6年に寺社奉行を兼任したのち、宝暦10年には京都所司代に転任し、高い地位を得ます。京都においては、先例を破って処分を受けるなどのエピソードもありましたが、後桜町天皇の即位に際して祭礼の取りまとめを行うなど、積極的に行動しました。

明和元年には西丸老中に就任し、翌年に本丸老中に転任します。この際、阿部家から老中を務めるのは約100年ぶりであり、そのことは藩内外において重要な意味を持ちました。しかし、彼の昇進には多額の費用がかかり、福山藩は経済的に厳しい状況に陥ります。藩札を乱発し、藩の信用を損ねる結果となり、「御用銀」の賦課が行われましたが、これが原因で領民による一揆が発生し、藩の政策は撤回されることになりました。

その後、藩は流通の統制を図り、また財政の緊縮を試みましたが、正右が生存している間には状況が改善されることはありませんでした。さらに、経済的な混乱により、藩士の規律も崩れ去る事態に至りました。彼が亡くなる1769年までの間、藩は経済問題に苦慮し続けました。

正右は明和6年に亡くなり、福山藩は彼の息子の正倫に継承されました。彼の治世は困難な時期であったものの、幕政における彼の役割や政治的な貢献は評価されています。その後、福山藩の歴史においても阿部正右の影響は感じられることでしょう。

官位と経歴

• - 生誕: 1724年（享保9年）11月29日
• - 従五位下・伊予守: 1738年（元文3年）
• - 相続: 1748年（寛延元年）11月19日
• - 奏者番に就任: 1752年（宝暦2年）
• - 寺社奉行を兼務: 1756年（宝暦6年）5月7日
• - 京都所司代に転任: 1760年（宝暦10年）12月3日
• - 西丸老中に就任: 1764年（明和元年）
• - 本丸老中に転任: 1765年（明和2年）12月22日
• - 死去: 1769年（明和6年）7月12日、享年46

彼の墓所は西福寺及び後の谷中墓地に改葬されており、その業績は今も語り継がれています。

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